【小説版】恋の契約とフェリーダ王国【Part.3】 (ページ4)

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104話ノアページ4

パーティに行かず、街をうろうろと歩いている少年がいた

「ねぇ、君」

そんな少年に１人の見知らぬ女が声を掛ける

「…………何？」

突然見知らぬ女に声を掛けられ、不機嫌そうに返事する少年

「＿＿＿って人、知ってる？」

「……知らない……ていうかあんた、誰？ここの国の人じゃないよね？」

そう問いかけると見知らぬ女の身体がピクッと小さく跳ね上がった

「……もしかして、あんたさ、＿＿＿だよね？だったら、さっさと帰った方が身のためだよ？昔と今じゃ比べもんになんないくらい、変わってるから……ねぇ？」

そう言って少年は妖艶に笑いながらその女に忠告する

少年の目は妖しく光っていた

そんな少年が恐ろしく見えたのか、見知らぬ女は悲鳴をあげて逃げていった

「……行っちゃった……俺、酷い事でも言ったかな…？」

ただ忠告をしただけの少年を彼女は怖がった

「…まぁいいや…」

と踵を返して散歩に戻ろうとしたとき

気のせいかもしれないが、ふと遠くから何か声が聞こえた

「……」

怪しいと感じるも行く気はないみたいでそのままスルーして散歩に戻っていった

そしてたまたまパーティ会場とやらの前を歩いていると再び誰かに話しかけられる

「ねぇ」

またかよ、とぼそっと呟くもその人らには聞こえていないようだ

「…何か用？」

振り返ってまた不機嫌そうに返事するノア

そこにはシルフェと呼ばれる人間の少女とレイルと呼ばれる鬼族の少年がいた

「…俺に何か用？」

彼らの反応がないからかもう一度言うノア

「いや、１人で何してるのかなって」

「……別に、散歩してるだけ」

「…パーティには参加しないの？」

「……興味ないから」

「そっか」

そう言って困った様子を見せるシルフェ

「………あんたらって恋人同士？」

「「え！？」」

ノアの言葉に声を揃えて驚く彼ら

「違うからね！？」

「…ふーん…」

「…何でそう思ったの？」

「……お似合いだったから？」

「…そっか、でも私達ただの幼馴染なの。だから恋人じゃないんだー」

「……へぇ、そう」

興味はなさそうだが、何となくそういう関係なのは理解したようだ

すると突然、ぐーっとノアのお腹が鳴る

「……お腹空いたの？」

シルフェの言葉にこくっと頷いてからこう言った

「………昨日から何も食べてない」

「あらら、良かったら一緒に食べる？」

「……ん」

先に進む彼らの後をノアは慣れない足取りで付いていった