99話 シノン ページ49
「カンナ、本当にここなのか?」
「…うん、合ってるはず」
彼らの気配を頼りに着いた先は狭い通路の路地裏だった
「…おい、誰も居ないみたいだぞ?」
「!──シノン、上!」
『やばっ…!』
「遅い」
向こうが気付いたときには既に遅く、シノンは自分の服の中に隠していた鎖で相手の体に巻き付けて動きを止める
そしてそのまま地面に叩きつけるように勢いよく引っ張る
『ぎゃんっ…!!?』
相手は驚く間もなく地面に叩きつけられた
シノンはこういう事には全く容赦しないため、ある意味凄い
「…で、お前誰だ?」
そう言ってシノンは捕まえた相手の近くにしゃがみこんで聞く
彼が捕まえた人の服は少しボロボロでマントを身につけていた
フードで顔を隠されているから誰だか把握出来ないが、おそらくこいつが
『お、俺は…フィオンド、ドラゴン族のフィオンドだ』
「…ねぇ、君は何処から来たの?」
『……言えない』
「ふーん、そっか…じゃあ、何でフード被ってるの?」
『……それも言えない』
「……一緒に来た奴は居るか?」
『………知り合いが4人』
「そうか、分かった。ありがとな。」
そう言ってシノンはフィオンドという奴を鎖から解放する
そして軽く挨拶を交わしてシノンが路地裏から立ち去ろうとした瞬間
バンッ、と銃の撃つ音が聞こえた
「!?」
「ぐっ…」
「カンナっ!?」
撃たれたのはカンナだ
フィオンドはシノンを狙っていた
でも、それより先に気付いたカンナはシノンの前に立ち塞がって身代わりになったのだ
『…ぁ…』
「…あはっ、あんた馬鹿だね…シノンを狙うだなんて十年早いよ……てか良かった、防弾の服着ててー」
『…は?』
間抜けな声を出すフィオンド──いや、
「…あ、もしかして本当と思った?残念、大ハズレ♪」
あはは、と楽しそうに笑うカンナ
「…ほら、次は全部教えてくれるよね?」
いつの間にか彼の首元にはカンナの所有している薙刀の刃が当たっていた
カンナはにこっとしながら黒いオーラを纏わせて問いかける
『……は、はい』
フィオンドは体をガタガタ震えながら情けない声で答えた
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にゃん。(プロフ) - 終わりました。次の方は続編へどうぞ。 (2017年10月14日 20時) (レス) id: f23589347d (このIDを非表示/違反報告)
にゃん。(プロフ) - 更新します。 (2017年10月14日 20時) (レス) id: f23589347d (このIDを非表示/違反報告)
鳥になりたかった只の学生(プロフ) - 終わりました! (2017年10月2日 23時) (レス) id: 823189d60b (このIDを非表示/違反報告)
鳥になりたかった只の学生(プロフ) - 更新します! (2017年10月2日 20時) (レス) id: 823189d60b (このIDを非表示/違反報告)
悠琉(プロフ) - 終わりました! (2017年10月2日 14時) (レス) id: 287512228a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん。 x他7人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月20日 23時