86話 エラ ページ36
センカ達を見送ってからどことなく不機嫌だったエラ。
歩きながらハルに何度か話しかけられて少しづつ機嫌が直ってきた頃、パーティ会場の近くまで来た。
カフォンとの合同パーティー、どうりで人が多い。ハルとはぐれないか心配していたら彼からエラの手を握ってくれた。
少しの間があいて、ハルからこう尋ねられた。
「そういえば、さっきスーちゃんがおめかししてるなんて言ってたけど、もしかしてエラもおめかししてるのかい?」
「え!?う、うん…せっかくのパーティだし、隣に…ハルがいるし…」
そう返すと、
「エラ、おいら今すんごく幸せ。おいらのためにおめかししてくれるエラが可愛くて仕方ない」
ド直球。
「ハ、ハル!?」
思わず驚きすぎてハルの手をさっきより強く握ってしまった。
「パーティが終わったらエラに話したいことがあるんだ。けど、その前にパーティを楽しもうか」
エラは聞こえるか聞こえないかの小さい声でうん、と返事をした。
そのままハルとベンチで休んでいると、向かいのベンチで寝ている人が見える。
綺麗な顔立ちだ。
「エラ、ちょっといいか?」
どうやら、彼はハルの知り合いのよう。
眠そうにハルと会話すると、ふとこちらを向いた。
「…ハル、隣の子はどなたですか?」
彼を警戒して、ハルの手を強く握る。
「…エラ」
小さく答えると、彼は微笑んだ。
「…そうですか。俺はアーロンと言います。どうぞ、以後お見知りおきを」
「…は、はぁ…」
「…では俺はこれで失礼します。ハル、起こして下さりありがとうございました。またパーティの方でお会いしましょう。」
彼___アーロンは会釈をすると、会場の方に歩いていった。
「……かっこいい」
噂では聞いていたが、間近で見ると噂が立つ理由がよく分かる。
エラのその言葉を聞いたハルの顔が一瞬曇る。
「もちろん、ハルの方がかっこいい」
エラの中での一番はいつだってハルだ。
ハルはエラの頭をぽんぽんとなでて、
「会場行こうか」
エラの手を引いた。
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にゃん。(プロフ) - 終わりました。次の方は続編へどうぞ。 (2017年10月14日 20時) (レス) id: f23589347d (このIDを非表示/違反報告)
にゃん。(プロフ) - 更新します。 (2017年10月14日 20時) (レス) id: f23589347d (このIDを非表示/違反報告)
鳥になりたかった只の学生(プロフ) - 終わりました! (2017年10月2日 23時) (レス) id: 823189d60b (このIDを非表示/違反報告)
鳥になりたかった只の学生(プロフ) - 更新します! (2017年10月2日 20時) (レス) id: 823189d60b (このIDを非表示/違反報告)
悠琉(プロフ) - 終わりました! (2017年10月2日 14時) (レス) id: 287512228a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:にゃん。 x他7人 | 作者ホームページ:
作成日時:2017年9月20日 23時