【小説版】恋の契約とフェリーダ王国【Part.2】

81話 スー ページ31

オウガのエスコートは思ったより優しくて何だか恥ずかしくてしょうがない

だから、止めさせてくっついて歩く事にしたのだが…


「(……これ、カップルみたいに見えるかな？)」


でも周りも彼女達みたいにくっつく人もいてだんだんパーティの時間が近づいて来てる事が分かる


「……人、多くなって来たね」

「そうだな」

そこで会話は一度途切れる

そして少し間を置いてから聞いてもいいかが不安な話題をオウガに振る


「…ねぇ、オウガ」

「？」

「……オウガはさ、もう恋人とか作らないの？」

「…さぁな、分からん」


そう言って顔を背けるオウガ


「…そっか」

「……そう言うお前はどうなんだ？」

「私？私は作ってみたいなぁ、とは思うよ？……でも私ってこんなんだし、もし好きな人が出来たとしても…きっと告白は出来ないと思う」

「…何でそう思うんだ？」

「…だってね、私がその気持ちに気付いたところでその人は他のところへ行っちゃうかもしれないし…それに告白したら、ずっと築いてきた関係が崩れる可能性もあるじゃん？だったら、伝えないまま今のままの関係でいたいと思うもん」


「…そうは思わない？」と言ってスーは少し悲しそうな笑顔をオウガに向ける


「…そうかもしれんな」

「うん」


そう言う彼らの後ろではオレンジ色の綺麗な夕焼けが見えていた


「さて、この話はこれで終わり！……あ、ねぇ見て！オウガ！ほら、夕焼けだよ！」


「綺麗だねー！」と夕焼けを見てははしゃぐ様子のスーを見て、オウガは思わずふっと笑みをこぼす

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