92忍 逃げきれるかな ページ2
昨日は見取図の場所も判明して収穫があった。
これで人間界へ1歩前進！
あとは暗号の紙の謎を解き明かそうということで3人で紙を囲んで考えたんだけど……
「ぜんっぜんわかんなかったね〜……」
「最上右24 中段左67 最下左98……どういう意味なんだろう……」
「ふったりっとも〜！」
「「！」」
次の日の朝。
通学カバンを持って屋敷の門を出ようとした私と入間は、サリじいちゃんに呼び止められた。
「馬車の点検がやーっと終わったんだよ。じゃーん！」
サリじいちゃんが指し示した先には装飾が
前はシックな馬車だったのに点検ついでにイメチェンさせられている。
「ハ、ハデな馬車ですね」
「いいでしょ〜？ 今日はこれで一緒に学校行こうね」
「えっ」
「さぁ乗って乗って」
サリじいちゃんに背中を押されて私たちは馬車の前に連れて行かれる。
近くにいた師匠がうやうやしくトビラを開けた。
「どうぞお入りください」
「はーい」
「ま、まって舞梨！」
「ん？」
小さいながらも強い声に私は振り向く。
入間は
「この馬車が嫌いなわけじゃないんだけど、ちょっと……目立つんじゃないかなって……」
「乗りたくないの？」
ズバッと要約する私に入間はひかえぎみにうなずいた。
まあ確かに馬車で登校すれば嫌でも目立つよね。
「任せて」
私は1つうなずき師匠とサリじいちゃんに目をやった。
二人ともこちらに注目しているから……これかな！
バフッ！
私は
真っ白な視界の中、私は入間の手を握り家系能力で存在感を消した。
「行くよ！」
そう小声で叫び、私たちは全速力で屋敷を飛び出した。
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作者名：氷雷ヒミツ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kawaikune/
作成日時：2021年5月6日 19時
