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伊野尾くんの撮影が終わり、スタッフさんに挨拶をしてから、メンバーのいる方に向かった。
『伊野尾くん、行くよ』
伊「ん?え、あ、え?!」
『早く』
出そうな舌打ちを我慢して、彼が支度するのを待った。
彼がそれを終えると、私達はとっととスタジオを出て、駐車場へ向かう。
伊「え、Aちゃん?どうしたの?」
『何が?』
伊「敬語じゃなかった…」
『だって、もうバレてんでしょ?』
伊「え、」
車の鍵を開けて、運転席に座る。
彼も慌てて助手席の方へ行き、車に乗ると、また不思議そうに、
伊「バレてるって?」
エンジンをかけ、駐車場を出る。
彼の家まではここから30分。
質問を無視し続けるのは容易だけど、
『私が猫被ってる事』
案の定、山田くんには素直になれと言われたわけだし。
てか、素直ってなんだよ。
伊「…多分。皆、その事については何も言ってない」
はぁーっと溜め息を吐く。
『あとさ、』
伊「ほぇ?まだあんの?」
手に力が入る。
でも、50万のために。
『私、アイドルに興味ないし、ぶっちゃけファンの子の気持ちとか分からないけど、
彼女いるならちゃんと隠しなよ?色々めんどくさいし、この一ヶ月内にバレたらとばっちり受けるのは私なんだから』
言えた。
ちゃんと、言えた。
言えたけど、伊野尾くんの顔が見れない。
やばい、泣きそう。
伊「…俺、彼女いないし」
『…は?』
伊「彼女いないって」
…嘘でしょ?
『じゃあ、セフ、』
伊「いねぇって!!!」
いきなり怒鳴られ、心臓が止まりそうになったのは言うまでもない。
『そんなにでかい声で言わなくても…』
もともと、そういう行いが悪いから、私が谷口さんに言われなきゃいけなかったんでしょ?
伊野尾くんが悪いんじゃん。
伊「変な事言うからじゃん」
完全に怒りを声に込めていた。
なんであんたがイラついてんだよ。
怒鳴りたいのはこっちだよ。
振られた相手となんでまた再会して、
しかもそんな奴のマネージャーやらなきゃいけないんだよ。
『もともと、伊野尾くんのそういうところがダラしないから、注意されるんでしょ?
言われるこっちの身にもなってよ』
伊「…最近ないし」
『でも、今まではあったんでしょ?
これだから、男は…』
気持ち悪い。
気色悪い。
どうせ男なんて、そういう事ばっかり考えてて、
女性をそういう風にしか見てないんだ。
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Strawberry ryosu(プロフ) - コメント失礼します。今日初めて読ませていただきました。とても面白くて番外編までいっきに読んでしまいました。更新ゆっくりでもしてくれると、とても嬉しいです。頑張ってください (2017年1月2日 0時) (レス) id: 04fc7e113e (このIDを非表示/違反報告)
pumpkin☆ - なんかこのお話見たら、山田くんファンから伊野尾くんファンになっちゃいました笑いいお話ですね〜!番外編も頑張ってくださいね (2016年3月30日 0時) (レス) id: 468b78ebe2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ - すごく面白かったです。これからも、頑張って下さい!o(・`д・´。) (2016年3月6日 2時) (レス) id: ea0c9cf643 (このIDを非表示/違反報告)
美伊也 - 面白かったです☆本当はもう少し続いて欲しかった、、、新作も楽しみにしてます! (2016年2月21日 14時) (レス) id: f559627c24 (このIDを非表示/違反報告)
しゅた★(プロフ) - すっごい、面白かったです! (2016年2月20日 0時) (レス) id: 55881e8c6f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haylee :D | 作成日時:2016年2月10日 0時