【完】マジうぜぇ。触んな。【Kei I】

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『伊野尾くん、次がバラエティの収録だから。

事務所の先輩もいるし、1人で緊張するかもしれないけど、いつも通りね』



彼のマネージャーとして付いてから9日。



さすがにこの仕事にも慣れ、彼らの事はなんとなく分かってきた。



そして、伊野尾くんが昔より笑うようになったこと。



それを見て少しだけ、安心していた自分がいた。



私が転校してから上手くやっていたのだろう。



もしかしたら、私がいない方が上手くやっていけてたのかもしれない。



伊「俺、まじ猫飼いたい。


うちのマンションなんでペット禁止なんだよー」



『引っ越せば？』



伊「やだめんどくさい」




なんなんだよ。



車内に沈黙が走り、後ろから視線を感じる。



バックミラーに目を向けると、案の定ぼーっと私を見つめる彼。



『そんな見んなよ、気色悪いな。


体に穴が開く』



伊「もう開いてる『まじ黙れ』」



下 ネタも言う生意気なガキになった。


同い年だけど。


中身は私の方が断然上だね。



『そういえば、この前のラジオの口説きも、あれワザとでしょ！』



彼はNHKの生放送のラジオであることを承知の上でとんでもない爆弾を落としてネットをざわつかせた。



放送終了後に一発殴ってやろうと思ったが、その時は八乙女くんが叱ってくれたので私は後でいいやと思ってたら忘れてしまった。



伊「そう捉える方が悪いね！」



『開き直ってんなよボケ！』



伊「いいじゃん、ファンの子は喜んでくれてるんだから！」




『小学生とかも聞いてるだから、ちゃんとしなよ！』



伊「だからわかりにくいように、『そのつもりで言ってるって今認めたね！』…あ」



もう、こいつは…。



これが通常運転なのが、高校時代を知ってる身としては信じがたいことだ。



彼に一体何があったらこうなったんだ。

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