絶対逃がさない。【歌い手】

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「ダメって言ったのに…」



そう言ったそらるさんの顔色はだいぶ良くなってた





「私何処で使うかわからないし…」



ここで使うためにさっきの部屋にあったと思っている



にしてもその鏡とやらを使うと、場所の把握がしにくくなるみたいだ



「なぁ、A…お前まだ、まふくんのこと見えるの？」




浦田君にそう言われる






少し離れているように感じるけど、
まだ赤い影が見える






「見える…けど、さっきより赤くない…」






何故だかそれがヤバいことだと感じた




「まふくん…やばいかも…」




そう呟くと
「ここからは別々で行動しようか」



と言うそらるさん



それはっ…ダメ…



って思ったけど



「大丈夫、俺もまふも、ちゃんと脱出するから」




私だけ、なんでそんなものが見えるのかわからないし



それならいっそ、鍵の在り処を知りたいのに






「わかりました、じゃあ俺とAは鍵探しますね」







浦田君が私の手をまふくんみたいに握った






「俺はまふくんみたいに優しく出来ないからな…」




「じゃあ、任せたよ…」





何処かも把握できていない場所からそらるさんは出ようとする





扉に手をかけた瞬間クルッとこちらを向いて戻ってきた



「そらるさん…？」




「忘れ物しちゃった」


そう言って、私の片方の手を握ると


チュッと、手の甲にキスをした



「そ、そらるさん！？」



「じゃあね、A」



それだけすると、サッと部屋から出てしまった






「ふふ、そらるさんも面白いことするんだなぁ…」




「え？？」



「いや、Aはそういうのわかんないか」





そらるさんが部屋を出た数分後、
浦田君に引かれて、部屋を出た

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