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「……ぅわっ！！」
「アカンッ！アカンッて！！」
「ははは」
「よぅ見てみいって、ただのハリボテやん？」
ガッチリ掴んだヒナの腕は離さへんし、ビックリした衝撃で離れそうになった俺の手をヒナはすぐ手繰り寄せて定位置に戻す。
薄暗くて他のヤツに見られて無いんがせめてもの救い。
だって俺、今世界中で1番ヒナにくっ付いとうから。
オバケ屋敷はもう勘弁して欲しいけど……。
ヒナとこうして居られる時間は、ずっとあって欲しいとか、そんな事が頭ん中過る。
でも……。
俺はもうすぐコノ町を離れる。
ヒナがこうして側にいる事も無くなってまう。
そう、いつまでもコイツに甘えてたらアカン。
自分で決めた事やから覆すつもりも無いし。
俺もエエ加減キモチに整理つけて……。
「あぶなっ！」
ヒナの声と同時に、上からヌルッした物体が落ちて来て俺の頬に触れた。
「ぅあっ！！」
突然起きた衝撃に恐怖が耐え切れず、ヒナの腕から手ぇ離したら前に向かって走り出した。
あぁ……コレ。
ちっさい頃と全部一緒。
結局耐えられんくなって、ヒナ置いて俺だけ逃げ出したんやった。
前歩いてるカップルも次々に追い越して。
全力疾走で出口を探してると、背後から身体をギュウッて抱き締められた。
「すばるっ！」
「わかった、わかったから落ち着けって！」
「はは、ホンマ昔と変わってへんなぁ」
「またオレだけ置いてかれるトコやったわ」
「…………」
「こんなんで独りコノ町から出て行くなんて」
「オレの心配の種が増える一方やん？」
「…………」
「……なぁすばる」
「ココ出て行くん、やっぱり一旦考え直」
「ヒナ……離して」
ヒナが言い掛けた言葉を遮ったら、抱かれたゴツい両腕をポンと叩いて俺の身体から離した。
「……すばる？」
振り返れば、薄暗い中でもわかる寂しげなヒナの表情。
ヒナ、コレ以上俺を止めたらアカンて。
折角の決意が、グラグラと揺らいでまうから。
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パスオレ - はじめまして。去年からにがこさんのファンになった者です。…もうお話を書かれることは無いんでしょうか？更新されない理由があると思うのですがまた話を書いて欲しいと勝手に思っております。 (2020年6月10日 21時) (
レス) id: 4c799f114d (このIDを非表示/違反報告)
くみみ(プロフ) - にがこちゃん、お久！元気そうでよかった(^^)遊園地のお話、全部ほっこりしたよ^ ^忙しいだろうけど、次のお話も楽しみにしてるね！いつも簡単な感想でごめんねー！言いたいことはたくさんあるけどまとめきらん(笑)また来まーす！ (2018年8月9日 7時) (レス) id: 25ca1c6f08 (このIDを非表示/違反報告)
華子うさぎ(プロフ) - 次はどんなシチュエーションになるのか、誰と誰がペアになるのか、いつも楽しみにしています。皆、ハッピーエンドなのが心温まります。 (2018年8月8日 13時) (レス) id: aa2503f596 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 凄い…ヒナちゃん、お見通しマンやん…良かったね、すばるくん(´；ω；`) (2018年8月6日 19時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - ねこ。さん» ねこ。さん、ありがとうございました！遊園地出てくるまでどんだけ時間費やしてん？でしたが、思い出の場所として書けて良かった。次もいろいろ考えてます。良かったらまた遊びに来て下さいね！ (2018年4月16日 16時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にがこ
| 作成日時：2018年3月2日 17時
