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控え室に入ると、いつもの様に着ぐるみを着て僕はタヌキになる。
今日は遊びに来た子供達に、ラッピングされた一口チョコをプレゼント。
チョコの入ったカゴを首から提げたら、僕もカバンから小さい箱を取り出しカゴの底へ忍ばせた。
今日、リョウに告白する。
ダメでもいい、僕のキモチを知って貰いたい。
いつ閉園になるかもわからないコノ遊園地で会ってるだけより、もっとリョウと一緒にいろんなトコ行って、いろんな景色を見てみたい。
何より今日ココへ来てんのかドキドキしながら、控え室のドアを開けた。
「わっ！」
外出るなり、目の前にリョウが立っててつい叫んだ。
「ははは」
「立入禁止やったけど来てもうた」
目尻に皺寄せ満面の笑みをくれたら、カバンの中から何かを取り出した。
「コレ、マルに渡そ思うて」
えっ！
片手に持ち僕に向けて素っ気なく差し出されたのは、シンプルなデザインした小さな箱。
これって、もしかしてリョウからの……？
顔ほんのり紅くして。
イキって伸ばした手が少し震えてるリョウを見て、胸がトクンと鳴る。
「あっ」
「め、迷惑やったら拒否してくれて構へんし」
「…………」
僕はタヌキ。
喋ったらアカン。
ココで喋ったらクビ……にはならへんけど。
何も反応しない僕に焦りでも感じたかな。
手ぇ引っ込めようとしたから、慌ててタヌキの頭脱いで顔覗かせた。
だって、リョウからの告白やで？
こっちこそタヌキでチョけてたらアカンやん。
「ぁ……マルって、そんな顔してたんやぁ」
「はは、初めて見たかも」
「ん、せやね」
「僕も初めて見せたかも」
「……めっちゃ嬉しい、ありがと」
「ん……ぉん、へへっ」
手はタヌキのまま。
僕も震える両手差し出して受け取ったら、リョウは舌出してはにかんだ。
生意気やけど、実は恥ずかしがりで素直なエエコ。
これからはいつも隣で見られる思うたら、僕もニマッと顔が緩む。
「実はさ……僕も」
「コノ中に準備してるんやけど」
「ゴメン、取って貰ってエエ？」
「へっ……しゃあないな」
箱持ってて取り出せないのアピールしたら、リョウはテレながら胸元のカゴに手を伸ばす。
「……無いやん？」
さっき笑ってた思うたら、今度は真顔で僕のチョコ探して。
コロコロ変わる表情にまた愛しさが増していく。
「ふわっ！」
ゴメン……僕もう限界。
貰った箱をカゴに入れ背中に回したら、たった今僕のものになったその身体を抱き寄せた。
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パスオレ - はじめまして。去年からにがこさんのファンになった者です。…もうお話を書かれることは無いんでしょうか？更新されない理由があると思うのですがまた話を書いて欲しいと勝手に思っております。 (2020年6月10日 21時) (
レス) id: 4c799f114d (このIDを非表示/違反報告)
くみみ(プロフ) - にがこちゃん、お久！元気そうでよかった(^^)遊園地のお話、全部ほっこりしたよ^ ^忙しいだろうけど、次のお話も楽しみにしてるね！いつも簡単な感想でごめんねー！言いたいことはたくさんあるけどまとめきらん(笑)また来まーす！ (2018年8月9日 7時) (レス) id: 25ca1c6f08 (このIDを非表示/違反報告)
華子うさぎ(プロフ) - 次はどんなシチュエーションになるのか、誰と誰がペアになるのか、いつも楽しみにしています。皆、ハッピーエンドなのが心温まります。 (2018年8月8日 13時) (レス) id: aa2503f596 (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - 凄い…ヒナちゃん、お見通しマンやん…良かったね、すばるくん(´；ω；`) (2018年8月6日 19時) (レス) id: b2e7866667 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - ねこ。さん» ねこ。さん、ありがとうございました！遊園地出てくるまでどんだけ時間費やしてん？でしたが、思い出の場所として書けて良かった。次もいろいろ考えてます。良かったらまた遊びに来て下さいね！ (2018年4月16日 16時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にがこ
| 作成日時：2018年3月2日 17時
