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暖簾潜って店を出たら、その寒さにフルッと身を窄める。
「ふわ……」
「どうりで寒い思うた」
「雪やん」
「コレって初雪とちゃう？」
初雪……あぁ。
もうそんな季節になってもうたんや。
ふわふわと舞う細かな雪が頬を掠めたら、マルちゃんと会ったアノ日の事を思い出す。
今の俺にとって、マルちゃんはまるで雪のようだ。
舞い降りる雪のように確かな存在感を見せても、触れようとしたらあっという間に姿を消してまう。
でも思いはココロの中に降り注ぎカタチになって、ちゃんと記憶として残されてんねん。
「はぁ……」
俺はマルちゃんのココロに、少しでも写し出されてるのかな？
今どこかで雪降る空を見て、少しでも俺の事思い出してくれてるやろうか。
解散したら家までの道程を歩く。
タクシー使っても良かってんけど、今は雪を感じながら歩きたいキブン。
坂道に辿り着いたら、目の前歩く姿にすぐ反応した。
クセッ毛を揺らしながら坂の途中を覚束無い足取りで歩き、少し進んだら肩を大きく上下に揺らして佇む姿。
「マルちゃんっ！」
「……へぇ？」
近付いて肩をポンと叩いたら、ゆっくりと振り返る。
その顔を見ると、フニャンと笑って焦点合ってへん。
……これは相当飲んだか、飲まされたか。
「あっ、大倉くんやぁ」
「はは」
「ゴキゲンやね、飲み会でもあった？」
「んふふ」
「今日忘年会やってん」
今にも倒れそうな身体がどうにも危なっかしくて、マルちゃんと肩を組み腰に手ぇ回して支えた。
「わぁ……ホンモノの大倉くんやぁ」
「ココで会うとは思わへんかった」
酔うてるマルちゃんにスルスル頬撫でられて。
間近で微笑む可愛い表情見せられたら、コッチも酔うてたけど一気に覚めてもうたわ。
「あるんやなぁ、こんな事って」
「もしかしたら帰り道で、大倉くんに会えるんちゃうかって思うてた」
「んぅ？」
「会えるんちゃうか」って、何でそんな可愛らしい事言うん？
そんなん言うたら、酔い任せとは言え誤解してまうやんか。
マルちゃんは空見上げてふふって笑うと、眠いのか半分瞼が落ち掛けた目をこっちに向ける。
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にがこ(プロフ) - ねこ。さん» ねこ。さーん、コメントありがとうございました！寂しい方向に走りがちな短編集ですが、どうにかハッピーエンドで終わって良かった♪そして新作始まりました。ぼちぼちやってるので遊びに来てやって下さいね♪ (2018年3月3日 11時) (
レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - 蒼乃碧さん» 蒼乃碧さーん、コメントありがとうございました！大好物、最後まで出し惜しみしてしまいましたね 苦笑。新作おまたせしました♪またまたお付き合いヨロシクお願いしますね！ (2018年3月3日 11時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - ちかさん» ちかさーん、コメントありがとうございました！ドキドキ無事お届けできたみたいで良かったです♪やっぱりのゆっくりペースですが新作始めましたヨ！ついて来て下さい！笑 (2018年3月3日 11時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - じゅんじゅさん» じゅんじゅさーん、コメントありがとうございました！思いきり季節に乗っかった雪シリーズ、楽しんでもらえたみたいで良かったですヨ！暖かくなってきて新作公開です！また遊びに来て下さいね♪ (2018年3月3日 11時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。(プロフ) - お疲れ様でした！紫さんの不器用さと青さんの心境にもどかしさを感じながらも最後に二人が結ばれて良かったです。新作楽しみに待ってます。お仕事も大変かと思いますが、程よく頑張って下さい！ (2018年2月9日 23時) (レス) id: 8ebe5b6d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にがこ
| 作成日時：2017年11月23日 17時
