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「いや……初対面やのにスミマセンでした」
「僕、大倉忠義言います」
「あっ、ボクは丸山隆平です」
「って敬語苦手やから止めよ？」
自分の後頭部ガシガシ掻きながらヘラッと笑うて。
なんやろ、このジワジワとツボに入ってくるカンジ。
「あの、実はね」
「俺……大倉くんの事、前々から知ってた」
「へっ？」
「年がオレらと変わらへんコがいるって聞いて」
「どんなコなんやろ？思うて探してたら大倉くんやってん」
「なかなかスゴい事やで」
「もっかい大学目指してみようなんてさ」
「…………」
そんなニコニコ顔でさ。
「探してた」なんて嬉しい言葉、アカンやろ。
更に「スゴイスゴイ」って目ぇキラキラさせて、俺めっちゃ褒められてるカンジになって。
普段そんな事されないから、何だかココロが擽ったい。
そんなん言われたらやっぱり悪い気はしないモンで、お礼に何かしてあげたくなった。
「前カゴのカバンの中って教科書？」
「チャリ重いやろ」
「ほら、後ろから押してあげる」
「わは、エエの？」
両手で荷台持って押しながら。
少しの時間やけど、2人で他愛も無い話しながら坂を上り切った。
「はぁ……はは……ありがと」
「……うん」
マルちゃんがこっち振り返ったと同時に少し強めの風が吹いて、道の上の粉雪がフワッと舞った。
マルちゃんとその景色がやけに上手く溶け込んで。
街灯に照らされたその姿が最高にキレイやって。
ドキドキしながら暫く見惚れてたと思う。
「……大倉くん？」
「あっ、あぁ……ゴメン」
不思議そうに俺を見るマルちゃんの鼻が紅く染まっとう。
寒空の下、ボンヤリしてた俺に付き合うてくれてた思うたらまた申し訳無さを感じた。
「はは、マルちゃん鼻紅いわ」
「寒いんやろ？良かったらコレ……」
カバンに仕舞ってたストールを取り出すと、マルちゃんの首に持って行く。
「いや、エエよ」
「それより大倉くん寒いやろうから……」
「マルちゃん、人の厚意は有り難く受け取らなアカンで？」
「俺ん家すぐソコやし、さっきまで走ってまだ身体温かいから」
遠慮するマルちゃんへ半ば強引にストール巻いたら、ほんの少し低い目線が上目遣いして微笑んでくれた。
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にがこ(プロフ) - ねこ。さん» ねこ。さーん、コメントありがとうございました！寂しい方向に走りがちな短編集ですが、どうにかハッピーエンドで終わって良かった♪そして新作始まりました。ぼちぼちやってるので遊びに来てやって下さいね♪ (2018年3月3日 11時) (
レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - 蒼乃碧さん» 蒼乃碧さーん、コメントありがとうございました！大好物、最後まで出し惜しみしてしまいましたね 苦笑。新作おまたせしました♪またまたお付き合いヨロシクお願いしますね！ (2018年3月3日 11時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - ちかさん» ちかさーん、コメントありがとうございました！ドキドキ無事お届けできたみたいで良かったです♪やっぱりのゆっくりペースですが新作始めましたヨ！ついて来て下さい！笑 (2018年3月3日 11時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - じゅんじゅさん» じゅんじゅさーん、コメントありがとうございました！思いきり季節に乗っかった雪シリーズ、楽しんでもらえたみたいで良かったですヨ！暖かくなってきて新作公開です！また遊びに来て下さいね♪ (2018年3月3日 11時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。(プロフ) - お疲れ様でした！紫さんの不器用さと青さんの心境にもどかしさを感じながらも最後に二人が結ばれて良かったです。新作楽しみに待ってます。お仕事も大変かと思いますが、程よく頑張って下さい！ (2018年2月9日 23時) (レス) id: 8ebe5b6d90 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にがこ
| 作成日時：2017年11月23日 17時
