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後から後から零れる涙をきみくんが拭おうと手を伸ばしたけど、身体が拒否して顔を逸らす。

何度か「ゴメン」「ホンマにゴメン」って声が響いたら、きみくんは静かに話を続けた。


「たまたま……たまたま今日って話になっとって」
「ホンマは……亮の調子見て朝の段階で断ってた」

「でも……コトがコトだけに変更が聞かへんから」


……?


「咄嗟に出たんがあんな嘘やって」
「ちゃんと話しとけば良かった……ゴメンな」


「……ぇ?」


きみくん、さっきから何言うてんの?
大倉を選んだから……別れ話を切り出そうとしたんちゃうの?


「黙っとく気は無かった」
「せやけど、アイツが絶対バレた無いからって口止めするもんやから」

「特に亮は一番近いトコおったから……」


「ちょ……え、ちょ……?」
「待って、話が全然わからへん」


どうにも頭ん中が混乱してもうて。
ぽろぽろ零れ落ちてた涙は、いつの間にかピタリと止まっていた。


「きみくんって……その」
「ぉ、大倉ん事が好きなったん……ちゃうの?」

「せやから俺に秘密で」
「大倉と密会続けて距離縮めて……俺と別れようと考えてたん、ちゃうん?」


止まってた涙がまた出ようとして瞳が潤む。
ボヤけた視界の中で微かにきみくんの表情を捉えたら……。

きみくんは唖然とした表情で、俺の顔を眺めてた。


「は?」
「いやいや、ちょい待って?」

「俺が大倉を好き……?」
「亮と別れを考えてた……?」

「うわっ!ないない!それ絶対ない!」


ブツブツ独り言を言うたか思うたら、突如ハッと我に返って叫び、俺をキツく抱き締めた。


「あっぶな」
「ココで捕まえんかったら、オレずっと亮に会われんくなってたかもしらんの?」


「ぅ……」


俺と目線合わせようと、きみくんがオデコをコツンとぶつけてきた。


「わかった、全部話す」
「せやから別れ話とかホンマにヤメて?」

「誤解されたまま亮と別れるとか……嫌や」


「店戻る」って肩抱かれて歩き出すと、別れるんと違うんやって安心してまた涙が溢れた。

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作品ジャンル:恋愛
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にがこ(プロフ) - ちかさん» ちかさん!お返事大変遅れてしまってごめんなさい!いつも見て頂けて嬉しいですよ♪不安だった赤×紫を気に入ってもらえて良かったです♪新作始まりました。お時間宜しい時、遊びに来て下さいねー♪ (2017年11月23日 22時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
ちか(プロフ) - 完結、お疲れ様でした。安定の“橙×青”から始まり、にがこさん作品では あまりお見かけしない“黒×黄”そして“赤×紫”3作とも素敵なお話でした。私は“赤×紫”好きです(〃ω〃)次回作も楽しみにしております(≧∀≦) (2017年11月14日 21時) (レス) id: 19b6facfd4 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - じゅんさん» こちらこそ!色々アレ…いや、もう全然アレですよ!笑。またコメントにもお邪魔させて貰います!! (2017年11月13日 16時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
じゅん(プロフ) - にがこさん» わー!こちらこそありがとうございます♪あの…色々アレな作品ばかりですが嬉しいです♪にがこさんの次回作もワクワクしながら待ってます♪ (2017年11月12日 19時) (レス) id: adad675f93 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - のんさん» のんさん、いつもありがとうございます!展開通りいっちゃいましたか!それはもう完全シンクロですね 笑。次のお話もまっさらなテーマから何書こうと頭捻ってますよ 笑。vol.7、その他新作完成したら共にヨロシクお願いしまーす! (2017年11月12日 13時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:にがこ | 作成日時:2017年9月23日 17時

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