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「すばるっ！」
ピクッと肩が揺れて、ゆっくりと振り返るその姿は紛れも無く僕の大好きな人。
気のせいかな？
心なしか窶れてる様にも見える。
「マル……なんでココ……？」
僕に顔を向けると、不思議そうな表情を浮かべる。
今すぐ近付いて抱き締めたい自分と、なんかそうしちゃいけないと思う自分が2人出てきて、少しだけ距離を置いた。
「今、信ちゃんに駅まで送って貰ってて」
「ちょうどココに目をやったら……見つけた」
「や、それより」
「すばるの方こそ、なんでココ……？」
「あぁ……」
暫く考えるような素振りを見せたら、提げてたカバンの中から何か取り出した。
「コレ……返しに来た」
「ぁ」
握り締めた掌の中には、アノ時のタヌキの巾着袋。
そう言えば無いなと思ってたけど、当時の僕はそれどころや無かったから。
「アノ時、荷物纏めてたらどこかで紛れ込んでて」
「いつか返さなアカンな……思うてた」
「…………」
「……勝手に消えてスマンかった」
「またオレの事軽蔑したやろ？はは」
すばるの乾いた笑いが響く。
どうしたら良いのかわからなくて、俯いたまま解決の道を模索した。
「ゴメンな」
「あのままずっと一緒にいたら、マルをまた深く傷つけるんちゃうかって……怖なった」
「『ヒトナツ・トラベラー』の参加者のオレが……」
「こんなオレがさ……マルをとか……アカンやん」
「…………」
掠れていく声に顔を向けると、雨の中にいた時と同じ鼻の頭真っ紅に染めたすばるがいて。
「アカンて決めてたのに……」
「毎日デカくなってくんやもん……マル……」
ポロッと零れた涙を見てふぅっと息を吐いたら、一歩、また一歩とすばるに近付いた。
「こ、これ渡したら帰るから」
「せやからオレん事は……もう……忘れて」
「…………」
無理に笑顔作るけど、零れ落ちる涙は止まらへん。
すばるまであと一歩のトコまで近付いた時。
手を伸ばして、タヌキ握ってる腕掴んで。
「……ん、決めた」
そう言って微笑むと、すばるを僕の胸に引き寄せた。
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にがこ(プロフ) - 蒼乃碧さん» 蒼乃碧さん！コメント遅くなってゴメンナサイ！オトコマエマルちゃん、気に入って頂けましたか！気に入って頂けたみたいで良かった♪ (2017年9月15日 16時) (
レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
蒼乃碧(プロフ) - ぐはぁ(´；Д；`)マル、男前すぎてしんどいです(´；Д；`)すばるくん、良かったね×∞ (2017年9月11日 20時) (レス) id: e7f7e62ab9 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - 翔亮さん» 翔亮さん、ありがとうございます♪キュンキュンが届けられて良かったですヨ！アナザーストーリー、大好物です 笑。ヤンマーちゃんもいつの間にか良い仲でしたもんね。どこかで書けたら、遊びに来てやって下さいね♪ (2017年9月2日 13時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - 芹生さん» 芹生さん、こちらこそありがとうございました！夏コン参戦されたんですね！燃え尽き症候群からの脱却に少しでもチカラになれたなら嬉しいです♪お互い楽しみながら書けたら良いですね♪次回作も思っきし自己満ですが始めちゃいました 笑。是非合間でも遊び来て下さいね (2017年9月2日 13時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - じゅんじゅさん» じゅんじゅさん、ありがとうございました♪トキメキ届けられて私も嬉しいです♪次回作も始まりました！是非、お待ちしてますヨ！ (2017年9月2日 13時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にがこ
| 作成日時：2017年8月18日 7時
