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「まぁ……ほら」
「最終、合格するかどうかもわからへんし」
「アカンよ」
「そんな弱気な事言うたら……」
気ぃ遣ったすばるくんの言葉に強がってはみたけど、身体は素直に反応して涙が滲む。
いつかはこんな時が来る思うてた。
やって、すばるくんの夢は壮大やから。
『ずっとこんな日が続いたら』って、それは俺自身を慰めてた言葉であって。
いつまでも一緒にいられへん事くらいわかってた。
天井見つめてどうにか涙の粒が溢れないように持ち堪えたら、すばるくんの唇が優しく涙を吸い取ってくれる。
「章大、オレな」
「むっちゃ強欲で頑固やねん」
「せやから、手に入れたモンを簡単に手離そうとかこれっぽっちも思うてへん」
「音楽の道やって……章大の事やって」
「……へっ？」
「どうなるかわからへんけどさぁ」
「オレ有名なって、超売れっ子ミュージシャンとかなって」
「周りの誰が見ても恥ずかしく無い人間に仕上がったら」
「そしたら……章大を正式に迎えに行って」
「ずっとオレのモンにしようと思うてる」
「…………」
「まぁ、今はまだそんな器ちゃうから」
「あんまデカい事言われへんけど……て、言うてもうてるやん、ははっ」
「…………」
「なぁ、章大」
「ちょっとだけ寂しい思いさすけど」
「ちょっとだけ、オレを待っててくれるか？」
「うぅ……」
溢れ出る涙を再び吸い取られたら、今度はすばるくんが俺をキツく抱き締めてくれる。
「湿っぽい顔すんなって」
「今日みたいなメデタイ日に」
「20歳の誕生日おめでと」
「そんで……オレの為に生まれてくれてあんがと」
「ふふ」
今日なんて忙しくて、きっと祝ってくれる余裕なんて無い思うてた。
それでもどこかでやっぱり一緒にいたくて。
その願いが叶った思うたら、やっぱり涙が溢れた。
「……なぁ、すばるくん」
「バースデーソング歌って？」
「俺の大好きな声で、俺だけの為に」
「ふはっ、欲っしがりやなぁ章大」
「……エエよ、コレはお前だけの特別」
すばるくんが俺の耳許に顔寄せたら、ヘッドホンから流れるあの大好きな音色を直で身体に感じる。
……好き、やっぱり好き。
これから先すばるくんが超売れっ子ミュージシャンになっても、コノ特権だけは誰にも譲らへん。
だってすばるくんの恋人も、強欲で頑固なんは負けてへんのやから。
おしまい。
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にがこ(プロフ) - のん。さん» のんちゃーんお久しぶり♪お祝いありがとうございます！忙しかったのね、お疲れ様！またいつでも遊びに来てね♪私も更新楽しみに待ってます！ (2017年9月28日 15時) (
レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - にがこちゃん！お誕生日おめでとうございますー♪ 今更感満載でごめんなさい。1ヶ月以上ここを離れてたら、にがこちゃんのお話がいっぱい更新されてた！ゆっくり楽しませてもらいますねー (2017年9月26日 9時) (レス) id: 3dd0e2b2bc (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - ままままさん» ままちゃん♪最後までお付き合いありがとう！読み返して貰えるなんて嬉しい♪新作も鋭意作成中だよ 笑。またいつでも遊びに来てね♪ (2017年9月21日 16時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
まままま(プロフ) - 番外編めちゃくちゃよかったです♪楽しみにしていた緑赤さん☆とってもステキでまたイチから読み返してましたー。いろんなその後見てまたイチから読み返してで、にがこちゃん一色の1週間だったよー。新作も楽しみにしてるー♪ (2017年9月19日 20時) (レス) id: 103b3e9ff7 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - くみみさん» 台風は日曜夕方から夜中が結構激しかったよ。くみちゃんトコ被害無かったかな？自然災害怖いね。お互い気を付けよう！心配してくれてありがとう♪ (2017年9月18日 21時) (レス) id: bfbb34681f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にがこ
| 作成日時：2017年9月1日 16時
