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「……緊張する」
「うん」
「でもすぐ終わっちゃうから、ね」
「……で」
「時間何秒くらいがエエの？」
「んー、せやねぇ」
「まぁ10秒くらいは欲しいトコかな」
その後もなかなか実行に移せず。
目は閉じるとか、角度はこう……とか。
お互い変な拘りをぶつけてクスクスと笑う。
「好きって言葉はあった方が良い？」
「さぁ」
「……わかってるからエエんとちゃう？」
「えー、そうなん？」
「僕、裕ちんの口から聞いた事あらへんよ」
「……も、エエやんけ」
「さっさとして帰ろうな」
そろそろ限界になってきた俺が急かすと、掴まれてた肩をグンッと引き寄せられて。
「わ……っ」
マルの顔が近付いて。
……触れるだけのキスをした。
何が起こったんかわからんくて、顔が離れて初めて状況を掴む。
「おま……なんしてんねんっ」
「さっきの打ち合わせ台無しやないか」
顔真っ赤にして怒る俺見て、マルがクスクスと笑う。
「だって裕ちん、めっちゃ緊張してるからぁ」
「じゃ今の無し……次が本番」
「はぁ？」
相変わらず言うてる事意味わからんくて。
でも心なしか安堵してた俺に、再びマルが顔を近付ける。
今度は打ち合わせ通り。
目を閉じて、顔に少しだけ角度作って。
お互いを確かめるように。
ゆっくりと唇を重ね合わせた。
「……ふぅ」
名残惜しく唇が離れて。
予定してた10秒よりも長いキスが終わったら、ココロ落ち着かせる為に息を漏らす。
「……アカンな」
「はぁ？」
マルが顔顰めてるけど。
こんだけ甘くて何がアカンの？
「ん、最後のふぅが味気無い」
「てなワケで次が本番」
「……はは」
何度も何度もやり直す『ファーストキス』に、互いに顔寄せて笑う。
ま、何回やっても一緒やし。
俺達の『ファーストキス』は、アノ時が最初で最後なんやから。
気付かせてくれてあんがと。
今度からは『お兄ちゃん』や無くて『オトコ』としてお前と一緒におったるから、な。
おしまい。
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にがこ(プロフ) - のん。さん» のんちゃんゴメンよ 汗。何でこのシリーズは切ない路線にいっちゃうんだろう 苦笑。技法だなんて、そんな大したモノ使ってないよー！あれ、私結構のんちゃんの盗んでるかもしれないけど、それは言ったらアカン事か！いつもありがとう♪ (2017年6月23日 18時) (
レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - にがこちゃん…めっちゃ切ない。11話目からまとめ読みしたら、胸が痛い。にがこちゃんがどんな技法を使ってるんかじっくり読み解きたいけど、それをすると無意識にパクってしまいそうやから（そんな技術もないけど）、無理矢理読み流したよ（笑） 続き楽しみにしてます (2017年6月22日 18時) (レス) id: ceed14b9da (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - ままままさん» ままままさん♪ありがとうございます！心奪われてますか！なんとも嬉しいお言葉デスヨ！最後まで楽しんでもらえるか若干不安なテーマなんですが、ヨロシクお願いしまーす！♪ (2017年6月13日 7時) (レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - のん。さん» のんちゃん、いつもありがと♪ファーストってテーマが難しくて、今さら設定した自分に後悔デスヨ 苦笑。オトナ切ない……最後までちゃんと表現できるか不安……笑。 (2017年6月13日 7時) (レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
まままま(プロフ) - 今回のシチュエイターズ今までと違うカンジでかなり心奪われてますよ。毎日この緑さん×赤さんの事を考えてしまっています(*_*。 (2017年6月12日 19時) (レス) id: 103b3e9ff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にがこ
| 作成日時：2017年4月22日 16時
