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「……別に」
「目ぇ開けるんがしんどいだけ」
昨夜みたいに、また胸がドキドキし始めて。
それを隠すようにどうにか声を絞り出す。
「ホンマに？」
「このままやったらホンマに奪ってまうよ」
「裕ちんの……ファーストキス」
最後の言葉に反応して目ぇ見開いたら、至近距離にマルの顔。
「おま……誰か来たら……」
「もう放課後やで？」
「先生に起こして来いって頼まれてん」
「せやから誰も来たりしいひんよ」
俺の顔挟んで両手ベッドに突いて。
上半身がほぼ被さるような形で、マルが俺を見下ろしてた。
「せやから……言うてるやん……」
「俺のファーストキスはとっくに……」
「裕ちん、嘘ついてるやろ」
「何年僕が隣で裕ちん見てきた思うてんの？」
「裕ちんって普段寡黙やのにさ」
「なんか隠し事ある時って、すぐ顔が紅なって一方的に喋るクセがあるん……知ってる？」
「…………」
「……知らんかった」
「はは」
「幼馴染みだからわかる事、やね」
得意気にマルは笑うと、呆然と見上げてる俺の頬をスルリと撫でた。
「なんで？」
「なんで裕ちん、僕にそんな嘘ついたの」
頬を撫でても抵抗しないのをエエ事に、マルは俺の顔から手を離そうとせえへん。
ずっと見下ろしたまま、寂しそうな表情をして俺に問う。
なんでって……そんなん……。
「なんでって……俺達は幼馴染みで」
「俺とお前って、昔から兄弟みたいなモンだったやんか」
「俺はお前の『兄貴』みたいなモンやし」
「お前は俺の『弟』みたいなモンなんやから」
「なんちゅうか……その……」
「兄弟間のレンアイとかって……マズイやん」
話してるうちにみるみる顔が熱くなってきて。
その熱くなった頬をマルは休む事無く撫で続け、微笑んだ。
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にがこ(プロフ) - のん。さん» のんちゃんゴメンよ 汗。何でこのシリーズは切ない路線にいっちゃうんだろう 苦笑。技法だなんて、そんな大したモノ使ってないよー！あれ、私結構のんちゃんの盗んでるかもしれないけど、それは言ったらアカン事か！いつもありがとう♪ (2017年6月23日 18時) (
レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - にがこちゃん…めっちゃ切ない。11話目からまとめ読みしたら、胸が痛い。にがこちゃんがどんな技法を使ってるんかじっくり読み解きたいけど、それをすると無意識にパクってしまいそうやから（そんな技術もないけど）、無理矢理読み流したよ（笑） 続き楽しみにしてます (2017年6月22日 18時) (レス) id: ceed14b9da (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - ままままさん» ままままさん♪ありがとうございます！心奪われてますか！なんとも嬉しいお言葉デスヨ！最後まで楽しんでもらえるか若干不安なテーマなんですが、ヨロシクお願いしまーす！♪ (2017年6月13日 7時) (レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - のん。さん» のんちゃん、いつもありがと♪ファーストってテーマが難しくて、今さら設定した自分に後悔デスヨ 苦笑。オトナ切ない……最後までちゃんと表現できるか不安……笑。 (2017年6月13日 7時) (レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
まままま(プロフ) - 今回のシチュエイターズ今までと違うカンジでかなり心奪われてますよ。毎日この緑さん×赤さんの事を考えてしまっています(*_*。 (2017年6月12日 19時) (レス) id: 103b3e9ff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にがこ
| 作成日時：2017年4月22日 16時
