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踵を返して寮に向かう。
信ちゃん……もう帰ってるやろうか。
ゴメンな、信ちゃんゴメン。
俺がワガママ言い過ぎてた。
俺が一番近くにいてるんやから。
俺がもっとわかってあげなアカンのに。
さっき入ったカラアゲ店の前通り過ぎて。
暫く歩いてると大好きな姿が目の前に現れた。
「あれ……亮……？」
「……しんちゃ……」
驚いた表情の信ちゃん目掛けて駆けてったら、ばふっと胸の中に飛び込んだ。
「はは……その袋」
「カラアゲ……バレてもうたかぁ」
頭の上で信ちゃんの笑い声が聞こえて。
それがなんか悔しくて、弱っちい俺が顔を出す。
「ばかぁ」
「信ちゃんのばかぁ……」
「はは……亮」
「こんな時はアホ言うてくれた方が嬉しいねんけど」
「ばかやぁ……」
「信ちゃんなんか……大ばかモンやぁ……」
涙ボロボロ流したら、いつもみたいにぎゅうっと抱き締められて。
胸元で顔擦り合わせたら、信ちゃんがうはって叫んだ。
「ちょ、亮」
「お前の鼻水でスーツが汚れてまうやんか」
「エエねん……汚れてまぇ……」
「信ちゃんのアホ……わあぁ……」
「はは、やっとアホ言うてくれた」
ひとしきり泣いたら漸く顔上げて。
今日一番の笑顔を、後頭部に手を当て引き寄せた。
「んもー、亮」
「ココでしたらカラアゲ買いに来にくくなるやん？」
「あ……」
周りを見渡せばガッツリ大通り。
皆素通りしてるけど、絶対見てたよな……今の。
「亮……帰ろ」
「腹減ったから、帰って揚げたて食べよ」
「……ん」
左手は冷えっ冷えのカラアゲの袋。
右手は信ちゃんの手の温もりを感じながら。
俺のプチ家出は簡単に幕を下ろした。
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にがこ(プロフ) - のん。さん» のんちゃんゴメンよ 汗。何でこのシリーズは切ない路線にいっちゃうんだろう 苦笑。技法だなんて、そんな大したモノ使ってないよー！あれ、私結構のんちゃんの盗んでるかもしれないけど、それは言ったらアカン事か！いつもありがとう♪ (2017年6月23日 18時) (
レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - にがこちゃん…めっちゃ切ない。11話目からまとめ読みしたら、胸が痛い。にがこちゃんがどんな技法を使ってるんかじっくり読み解きたいけど、それをすると無意識にパクってしまいそうやから（そんな技術もないけど）、無理矢理読み流したよ（笑） 続き楽しみにしてます (2017年6月22日 18時) (レス) id: ceed14b9da (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - ままままさん» ままままさん♪ありがとうございます！心奪われてますか！なんとも嬉しいお言葉デスヨ！最後まで楽しんでもらえるか若干不安なテーマなんですが、ヨロシクお願いしまーす！♪ (2017年6月13日 7時) (レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - のん。さん» のんちゃん、いつもありがと♪ファーストってテーマが難しくて、今さら設定した自分に後悔デスヨ 苦笑。オトナ切ない……最後までちゃんと表現できるか不安……笑。 (2017年6月13日 7時) (レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
まままま(プロフ) - 今回のシチュエイターズ今までと違うカンジでかなり心奪われてますよ。毎日この緑さん×赤さんの事を考えてしまっています(*_*。 (2017年6月12日 19時) (レス) id: 103b3e9ff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：にがこ
| 作成日時：2017年4月22日 16時
