公園�� 黄 × 橙 １ ページ31
「……えー、今日も僕のライブに来てくれてありがとう」
「最後の曲になりました、聞いてください……」
良い言い方すれば『味が出てきた』、
仮に悪い言い方やと『まだ使えんの？』ってギターを抱え、
スポットライトを浴びながら最後の曲を熱唱する。
今日のハコも満員御礼。
最近じゃ立ち見の客まで増えてきた。
会場が一体となって、俺の声と相棒の音色に聞き惚れる。
……ほら、一番前のお客さん。
確か昨日も見に来てくれてたやんな？
また涙してくれてるんか。
ありがとう。
ありがとう。
こうして音を奏でられるんは、ココにいるみんなのお陰やで。
「……じゃ、今夜も良い夢を」
「最後までありがとう、オヤスミ！」
ギタースタンドに立て掛けたら、イスから立ち上がって手を振り退場する。
程なくして、会場から手拍子とアンコールの声援が。
「……亮、いけるか？」
「おん、大丈夫」
連日のライブで若干喉を痛めつつも、それでも俺の声を聞きたいってファンの期待に笑顔で応える。
明日、歌えなくなってもいい。
この瞬間が楽しければ……俺は。
「……ま、それが俺の理想」
「はははっ、なかなかエエ理想やね」
河川敷にある、人通りの少ない小さな公園。
夕暮れ時にもなると、犬の散歩やジョギングする人の姿が次第に増えてきて。
『スポットライト』とは程遠いボンヤリとした街灯の下で店開きをし、チューニングを兼ねてジャカジャカとギターを鳴らし始める。
やがて人知れず単独ライブは開催され、静かに終えて店仕舞いをする。
それが俺の日課。
所詮、現実はこんなもんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 361人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にがこ(プロフ) - のん。さん» わーい、ありがとうございまーす♪挑戦した事無いコンビばっかりでしたが書いてて楽しかったです♪世界観が素敵だなんて 照。せめて妄想の中だけでもって 笑。 (2016年9月30日 13時) (
レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
のん。(プロフ) - にがこさんの書くほほえみコンビ、いいですねー(*^_^*)にがこさんのお話の世界観やっぱりステキ☆ (2016年9月29日 21時) (レス) id: 281cb8188d (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - きよぼさん» きよぼさんありがとうございます♪短編なのでいろいろ展開早いですね 笑。マルちゃんは今何してるかな？最後までヨロシクお願いします♪ (2016年9月27日 10時) (レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
きよぼ(プロフ) - 亮ちゃん無事にデビューおめでと！まるちゃんもがんばってるかなぁ？と毎日楽しく拝見させてもらっています♪ (2016年9月26日 22時) (レス) id: af69a44f45 (このIDを非表示/違反報告)
にがこ(プロフ) - からあげいちごカレーさん» 読んで頂けましたか！ありがとうございます！私が書くとこんな感じでした 笑。気に入って貰えて良かったです♪ (2016年9月24日 16時) (レス) id: 1c94576c40 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：にがこ
| 作成日時：2016年9月8日 16時
