ニコイチには戻らない【望月穂波】 (ページ13)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:1,598 hit

・ページ13

よくわからない
酷い態度とは酷い態度のことだ
そのままの意味。
私は質問されるほどおかしなことを言っただろうかと先程の自分の発言を頭の中で思い浮かべるが、特に気になる点もなかったのでこれは二人の間で食い違いができているんだろうなということが馬鹿な私でもわかった。

『あー……、私よく望月さんを睨んだりしてたんだよね。そのことかな』

「え、睨…………え？」

信じられないと言った顔だ
言葉を覚えたての赤ちゃんみたい

やっぱり、私たちはどこか食い違っていたようだ。

彼女の私に対する過大評価は真実を知ったら消えてなくなるのだろう。そう思うとすべて話すのは気がすすまないが、誤魔化しても何も変わらないと思ったので話すことにした。

それだけじゃない、私には確信があった。
望月さんは私の話を聞いても否定しないし、軽蔑もしないということを。だからといって肯定もしないということ。
そういう人は私にとって都合が良いのだ。だから話した。

都合がいいは酷いか

『教室とかでしょっちゅう睨んでたし、友達と話してる時とか。あとペアワークの時もダラダラしてちゃんとやらなかったでしょ』

「そうだったんだ…！ペアワークは、わからないのが恥ずかしくてモジモジしてるのかと…」

そんなふうに思われてたんだ…
まあ別に勉強はもとから得意じゃないしいいけど

『…へー、望月さんって人の態度に鈍感なんだね。これだけ嫌いですアピールしたらさすがに気づかれてるし、嫌われてるのかと』

「…………それはないよ」

だって、しってるから。

嬉しそうにそういう彼女

何が？と聞いても答えてはくれなかったが、
彼女にも話したくないことはあるのだろうと特に深追いはしなかった。

私にだって、話せないことは山ほどある。