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「俺たち吸血鬼を含める『人外』と、人間の住む世界。そりゃあ近くても遠い、もう全く別もんの世界なんやで。」
「ふむ、どういうことだ？」
きょーの話を目をキラキラさせながら興味津々に聞いているグルッペンは、次の言葉を待ちきれずに答えを急かす。変わり者好きな変わり者の事や。この話に興味を持たない訳が無い。
「せやなぁ......同じ平行線にある別の宇宙。地球の裏側......っちゅー方が分かりやすそうやな。それぐらい近いけど遠いところに、俺達は存在してる。その地球の裏側のことを、『リューゲンベルク』っちゅーねん。」
リューゲンベルク。昔々読んだ、絵本に出てくる街の名前。Aがまず話に出したのも、リューゲンベルクだった。人外の住む可笑しな街。それがリューゲンベルク。
「地球みたいに海があって国がある訳やあらへん。ひとりひとつ、リューゲンベルク。その関係性は星みたいなもんや。隣接もしてなければ、届く場所でもない。リューゲンベルクと地球......人間界への扉は、神......まぁこれは色々あるんやけど。それの気紛れで開かれるんよ。俺達が此処に居るのは、今現在その扉が開いてるからっちゅー訳やな。」
つまり。元々俺達とAは、同じ世界で共存していた訳ではないと言う事。元々それぞれが別の世界に生き、彼女が開いた扉から此方に来たことで出逢いを果たした、という事になる。
「今回の解放は一年前から、つまり去年。俺らにとっては、ほんまに久々の人間界っちゅー事や。前回の解放は二百年位前。自分等が俺たちのことを知らんのもしゃーないわ。」
こんなに時間が空けば、語り継がれる伝承も尽きる。噺を保てたとしても、数百年前に吸血鬼が存在したなんて誰が信じるだろうか。話が話、事実が事実。おとぎ話に過ぎないのだ。
「因みに、やけど。基本的に他人のリューゲンベルクにたどり着く術はないで。鍵がなければ、の話やけどな。
そこの......Aの主人と、ちっさいオレンジの奴。自分等、どりみーの所おったやろ。」
「あっ、はい！緑色さんとこにお邪魔しました」
俺とロボロを見やるきょーに、ロボロが返答する。どりみー。あの大図書館に住む、魔法使いのサーヴァンプ、緑色の事だ。
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myona859(プロフ) - コメ失礼します！この作品、漫画のSERVAMPを真似していますか…？誰も知らない兄弟がいたり、名前を呼んだら仮契約したりする所が似ているので…違ったらすみません！ (2020年4月7日 17時) (
レス) id: b40e1d4ca9 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜(プロフ) - 貴方の作風、この作品の設定、もう全部に惚れてしまったのでコメしてしまいました。応援してます、続編待ってます！ (2020年2月12日 23時) (レス) id: ee6d8feaa1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はなし | 作成日時：2020年1月4日 11時
