今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:31,167 hit
小｜中｜大
47 ページ47
「なんか欲しいもんあったら言ってな、買ったるから。」
「はいはい。わかったわ。」
もうすっかり甘やかされっぱなしの自分。何百年も生きてると公言したはずなんだが、明らかに子供扱いされている。国の上に立っていると、子供自体と関わることが少ないのだろうか。吸血鬼はもちろん、猫や子供すら珍しいなんて。
食べ終わったクレープの紙を畳みながら、周囲を散策して歩く。
…周囲を見渡すと、ふととある店のショーウィンドウの中身に目が止まってしまった。どうやらそれはアクセサリー屋で。
飾られているのは赤と黄色、二色に輝くセットのイヤーカフ。ルピナスの花をあしらったそれを見て、同時に脳裏に浮かんだのは、初対面にも関わらず思い切り爪で引っ掻いてしまった赤いニット帽の男…シャオロンだった。
「なんや、欲しいんか？」
いつの間にか私の後ろからイヤーカフをのぞき込むロボロとオスマン。
「…いや、私が欲しいわけじゃないんだけど…その…」
私の言葉にきょとんとするロボロ、そして何かを理解したようなオスマンに、自分の考えていることを素直に話した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はなし | 作成日時：2019年12月31日 20時
