【wrwrd!】出逢いを花束に代えて Ⅰ (ページ36)

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「吸血鬼は不老不死よ。」

はっとし、彼女の方を向く。

「こんなに見た目が似ていないのも、理由があるの。…あんまり言いたくないから、言えないけれど。」

吸血鬼は不老不死。その言葉を聞いて、真っ先に浮かんだ疑問を口にしてしまう。

「Aは、俺らよりもずっと、ずっと長い間生きとるっちゅうこと、か…？」

「当たり前じゃない。それに私、四番目だもの。下に三人いるのよ？それはそれは大きい弟が。」

にっかりと悪戯っ子のような笑みを浮かべるA。俺が驚いているのが余程面白いのか、すっかり悪い事を覚えた無邪気な子供の様に見える。

「…一体、何年くらい？」

「さぁ〜…何万何億だったらまだ見栄張れたのにね。…まぁ、五百年くらいかしら？」

ロボロの質問に首を傾げながら答える。証拠として、あの時の中世の人間の生活の様子は、幾らでも話せるわよ、と冗談のように笑うAの目はどう見ても真実を語っていた。

「まぁ、私一人じゃただの変な事言ってる痛い子供だけど、緑色が居れば多少は信用度上がった？」

「エ、ナニ、信用されてないの？」

「されてると思うけど…多分。」

俺は完全に彼女の目を見て信用しているのだが、ロボロや他の皆は分からない。…いや。隣に立っているロボロは、もうAの事を明らかに信用している。彼も、彼女に何か感じるものがあったのだろう。
緑色は肩を竦めて一度こちらを見たかと思えば、手元の本をぱたりと閉じ、カウンターを飛び超えてこちらへと近づいてきた。