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「太陽の光大丈夫やないやろ？どうするん？日傘はあるけど…」
「あぁ、日光浴びたらあかんのか。」
廊下に一列。こつ、こつと、三人分の足音。大きな窓から差し込める日光を避けながら、ゆっくり歩く。幹部しかいないのか、他に人は見当たらない。キョロキョロと周りを見る私に気がついたのかロボロが補足してくれる。
「ここは幹部棟やで。やから他に誰もいないんや。…あそこに集まってる他にも幹部がおるけど出張中なんよ、帰ってきたら紹介するな。」
「むー！俺がするめう！…っつっても兄さん、いつ帰ってくるんやろうなぁ…」
「そのうち帰ってくるやろ。」
先程も聞いた情報を繰り返してくれるロボロ。こんなに広い建物が十数人だけのものなのか…そう考えると、相当この国大きいのか、なんて。そう考えながら、隣を歩くオスマンを覗き込む。さっきから頬をぷくーっとさせっぱなしの彼は、中性的な顔も相まって、尚更女っぽくなっていた。
「太陽の光…なんだけど。薬切れちゃったから先に貰いに行ってもいいかしら？」
「薬？」
「えぇ、薬。…それしか、日光遮る方法はないから。」
そういえば全然貰いに行ってなかったなぁ、と。普段なら耐えられない太陽光にも耐えられるようになる薬…というより魔法だけれど。それが使える奴のところにちょくちょく通わなければいけないのだ。最近…ここ二ヶ月だけれど、全く行ってなかったから見事に薬は切れていた。何百年単位で生きている私達にとって、こんなにこまめに会う同族はあいつくらいだろう。別に行ってもいいのだけれど、何とか一年くらいくらいは持たせてくれないのかしら。
「多分頑張れば二人も連れて行けるし、もしかしたらさっきの話、本当だって証明にもなるかもだから。」
「ほぉ…」
「だから、図書館の場所教えて。」
「図書館？」
「図書館。」
図書館じゃなくても、本が沢山あるところなら何処でもいいのだけれど。あいつはそういう所に引きこもってるから、そこから入るしかないの。
未だに首を傾げて不思議そうな顔をしている二人に急いで、と催促した。
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作者名：はなし | 作成日時：2019年12月31日 20時
