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本当に? ページ5

今日はいつもより何倍も楽しかったな
なんて思いながらベースやアンプを片付けていく。

片付けをしながら横目でさっき話しかけてくれた人を見てみた。


すると目が合って、ニコッと微笑んできた。


先程とは雰囲気が違って頬が熱くなるのを感じた。
笑った時に見えた八重歯が可愛かった。

(いやいや…ナンパかも知れないのに、
でも一時間も待ってくれた。本当に勧誘かもしれない)

勧誘だったらいいな、なんて珍しい事を思いながらベースを背負って話しかけた。


『お待たせしました、一時間も待ってくれてありがとうございます。
良かったら近くのカフェに入りませんか?』


「うぉ、いいんすか!!ありがとうございます!」


…やっぱり耳としっぽが見える

一時間待ってくれたお礼にカフェに誘った。
ナンパだったらすぐ帰ろう。



少しオシャレなカフェに入って楽器もあるので四人用のテーブル席についた。

私はカフェラテを、相手は少し考えてから「んじゃ、同じのください!!」と元気に答えた。


カフェラテが届いて、一口飲む。
私はひたすら相手の言葉を待っていた。


目を合ってひと言。



「お姉さん、やっぱめっちゃ綺麗っスね!!」


『……え?』


やっぱり期待しなきゃ良かったと、心底思った。
一時間も待ってくれるナンパなんて珍しくて本当に勧誘だと思っていたのに。
嬉しかったのに。


『あ、すみません。この後用事があるのでそれだけならもう帰りますね。
ありがとうございました。』

「……え」


9割も残ったカフェラテを置いて早足で外に出た。


あんなに夢中に私の音を聞いてくれていたと思っていたのに。

背中のベースが重くて仕方なかった。



「ちょっとまってえええ!!!まってまって!!」


こんなに遅い時間におアツいカップルでも居るのかと思った。けど

その声の主は私の手を掴んで止めてきた。


「はぁ…はぁ…んごめん!あの、さっき、綺麗って言ったの、はぁ、ベースの音が綺麗って言いたくて、、あいや君も綺麗なんだけど!」

『……はい』

「あー、ナンパ、みたいに聞こえたかもって、あ、そう俺ボーカル!ボーカルしててさ!ベースの子が怪我しちゃって、んで今日さ、君の音聞いて、一緒にバンドやりたいと思ったんだ」

「俺、分かりにくくてごめん、」

「でも、『バンドの名前は?なんですか?今までの活動歴は?…本当に、ナンパじゃないですか?』

「…バンドの名前はまだ決まってない。もうすぐデビューするんだよね。ほんとにナンパじゃないです」

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まる(プロフ) - オリ/フラ外し忘れてますよ!💦 (12月8日 12時) (レス) id: d16c4af477 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2023年5月12日 21時

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