告白 ページ32
秋良は、何も言わない。
ただ血の気の引いた顔で、私を見ている。
「……わかった」
235、230との違い。
死の記憶。
秋良との年齢の差。
「私は、作り直されたんだ」
涙が零れた。
別に悲しくはない。
脳の許容範囲を完全に超えているから、なにかパニックが起きたのだろう。
「どうだろう、秋良」
私は手の傷を見て笑った。
これはそのまま彼の傷だ。
「当たり？」
秋良は、顔を覆った。
「答えて」
彼は首を横に振る。
子供のような仕草に、私は状況に不釣り合いな、微笑ましい気持ちになった。
「責めないよ」
秋良は、呻くように答えた。
「……そうだ」
彼は、私から目を背けて、話し始めた。
「……君は、俺と出かけた日に、俺の目の前で事故に遭った。それで、救急車で運ばれて、病院に着いてからすぐに死んだ」
「……俺は研究者で、クローンの研究をしている。上の命令で、君をクローン人間として造り直すことになった」
私は少し笑った。
「……上の人は残酷だね。わざわざ恋人をクローン人間にさせることないのに」
彼は、陰のある笑顔を見せた。
「以前の状態をよく知っている人物なら、造り直したときの相違などもわかりやすいだろう」
なるほど、とどこか他人事のように私は納得して頷いた。
「……君は、造り直されて五年経った頃に、記憶の混乱でおかしくなってしまった。だから年に一度の薬の投与で、君の記憶を消すことになった」
「……うん」
「俺は、君を実験動物とみなさなければいけなかった」
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Niko(プロフ) - 続きがある......！まさかまた続きが読めると思わなくて驚きと感動で胸がいっぱいです......！ (7月24日 1時) (
レス) @page34 id: e6a8d0ae57 (このIDを非表示/違反報告)
チップ - すごく楽しみです！更新待ってます^_^ (2021年12月12日 22時) (レス) id: d533d9fa91 (このIDを非表示/違反報告)
Natsuki(プロフ) - ドキドキする展開です！続きが気になります^ ^ (2019年1月25日 1時) (レス) id: 2709160c1d (このIDを非表示/違反報告)
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