信頼 ページ25
次に目が覚めると、深見先生がいた。
相変わらず吐き気は治まらず、気持ち悪い色をした液体を吐いた。
もう嫌だ。
目を閉じて、荒く呼吸をしていると、額に手が当てられる。
「……これだけ経っても発熱はないか」
器具の音に目を開けると、先生は素っ気なく言った。
「治療薬を投与する」
左手をやや乱暴に引っ張られ、肘の内側を消毒される。
「副作用があればすぐに言え」
当然、私を気遣っているわけではなく、研究のためだろう。
針の先端が肌に近づく。
病原菌の注入を思い出して、腕に力を入れすぎてしまう。
先生は気づいて私の腕をさすった。
「……何を怖がっている。お前の身体がこれ以上酷くなることは無い」
私は何度も頷いた。
「あまり腕に力を入れるな。針が折れる」
私はゆっくりと深呼吸をする。
それでいくらか力が抜けたのか、針がさしこまれた。
「……これで多少は良くなるだろう」
「……ありがとう、ございます」
先生は微かに笑った。
「そもそも君が辛いのは俺の所為だぞ」
「……知ってます、けど」
「勘違いしているようだから言うが」
先生は腕を組んで私を見下ろした。
「お前を階段から落としたのは俺だ」
硬直している私の所へ、先生は歩み寄る。
そして左の二の腕を強く掴んだ。
ずき、と痛みがはしる。
そこで、ふと思いついた。
「……階段の下の、ガラス片も」
「そう」
「……まさか、予めフミコかフミオを階段付近によんでおいた？」
「勘が良いな。当たりだ」
するり、と大きな手が肩を撫でる。
急に恐ろしくなって、身体を引いた。
「はは、怖いか。……もう一つ、考えてみるといい。彼らの名前について」
フミコ、フミオ。
235、230？？
「…………番号」
「お見事」
先生はにっこりと笑った。
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Niko(プロフ) - 続きがある......！まさかまた続きが読めると思わなくて驚きと感動で胸がいっぱいです......！ (7月24日 1時) (
レス) @page34 id: e6a8d0ae57 (このIDを非表示/違反報告)
チップ - すごく楽しみです！更新待ってます^_^ (2021年12月12日 22時) (レス) id: d533d9fa91 (このIDを非表示/違反報告)
Natsuki(プロフ) - ドキドキする展開です！続きが気になります^ ^ (2019年1月25日 1時) (レス) id: 2709160c1d (このIDを非表示/違反報告)
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