プレイルーム ページ41
てっきり病室に連れ戻されるかと思ったが、相楽先生は私を、来たことのない場所に案内した。
低い本棚に、本が沢山あって、床にはたくさんのぬいぐるみが置いてある。
「……プレイルームだよ。君よりもうちょっと小さい子向けなんだけどね」
先生は本棚の中から、一冊の本を取って差し出した。
「でも、幾つか君の好きそうな本もあるよ」
受け取って、ぱらぱらと捲る。
ハードカバーの分厚い本は、とても幼児向けではなく、かといって大人向けでもない。
「そこに座って」
指し示された黄色の立方体型の椅子に腰掛ける。
そこかしこに転がったこの椅子らしきものは、赤、青、ピンクなど随分カラフルで可愛い。
相楽先生は私にラッコのぬいぐるみを手渡し、向かいの青い椅子に腰掛けた。
「午後の検査の内容を聞いたんだね」
頷くと、彼は私の頭を撫でた。
「びっくりしただろ」
俯いた私に先生は優しく声をかけた。
「今は具合が悪くないもんな。痛いのは嫌なんだよね」
腕の中のラッコを抱きしめる。
初めて見たぬいぐるみのはずなのに、心を落ち着けてくれる気がした。
「一条は、他の人よりちょっと病気になりやすいんだ。身体の力があんまり強くないからね」
それは、損じゃないか。
どうにも涙腺が緩んでいるのか、涙がまた零れる。
俯いた私の頭をなでながら、先生は続ける。
「だから、どうしても検査だったり、治療だったりが必要になるんだよ」
……優しい。
私はこくりと頷いて、先生を見つめた。
「……ごめんなさい」
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ステラ - 信じられないほどドキドキします(?)主さんの作品がめっっっちゃくちゃ好きです！！！最高です！！楽しみが増えました！ (2022年6月4日 9時) (
レス) @page50 id: 1d9e4d2339 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - 続きが楽しみです！ (2018年10月18日 23時) (レス) id: 7188a9c310 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか(プロフ) - 前の作品から大好きです！！続き楽しみです！ (2018年7月1日 17時) (レス) id: 7a5dbc0816 (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - 猫ザクラさん» 飛び上がりましたか笑 ありがとうございます。これからもぜひ読んでくださると嬉しいです( ￣▽￣) (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - ハジメマシテさん» 様付けされるような者じゃないんで！！笑 書くのは楽しいので時間のある時にコツコツこそこそと……。 (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)
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