手 ページ5
「ねえ秋良、一条の骨が砕けるよ。放してあげたら？」
そう思うならにやにやするのをやめろ。
……私は深見先生を見つめて口を開いた。
「……深見先生。逃げないから、放してください」
ゆっくりと手が離れていく。
私の手首には赤い痕だけが残った。
「…次また同じ事したら怒るからな」
…今のは怒ってなかったのか。
私と深見先生の間に微妙な空気が流れる。
それを吹き飛ばすように相楽先生が明るい声を上げた。
「よし、じゃあとりあえず一条、そこのベッドに座って」
見た目通り硬いベッドに腰掛ける。
「えらいぞ一条〜！」
…なんか、ものすごく馬鹿にされている。
文句を言ってやろうとしたけど、にこにこしながら私の頭をかき回す先生を見ていたら
何も言えなくなってしまった。
「よし、僕検査の準備してくるねー！」
「え、ちょ」
やだこの怖い先生と二人とか無理無理ー！！と言おうとしてやめた。
骨が砕けちゃう。
「……くっ。いってらっしゃい」
「うん！」
……というわけで私は超不機嫌そうな顔をしている深見先生と二人きりになった。
「ほら、腕を出せ」
おそるおそる点滴が刺さっている方の腕を出すと
また手首をつかまれて思わず身を縮めた。
「怖いのか」
主にあんたがな！！
「……俺が？」
しまった声に出てた。
「なるほど」
長い指が包帯をほどいていく。
骨ばった大きな手だ。
男性らしいけど、綺麗で…
…って、私は何を考えているんだ！！！
「どうした？A」
「え！？いや、きれいな手ですね！！」
しまった。いうつもりなかったのに。
先生はちょっとだけ微笑んだ。
「一年前のお前も同じことを言った」
よくわからないが一年前の私も変態だったようだ。問題ない。
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ステラ - 信じられないほどドキドキします(?)主さんの作品がめっっっちゃくちゃ好きです！！！最高です！！楽しみが増えました！ (2022年6月4日 9時) (
レス) @page50 id: 1d9e4d2339 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央 - 続きが楽しみです！ (2018年10月18日 23時) (レス) id: 7188a9c310 (このIDを非表示/違反報告)
ふーか(プロフ) - 前の作品から大好きです！！続き楽しみです！ (2018年7月1日 17時) (レス) id: 7a5dbc0816 (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - 猫ザクラさん» 飛び上がりましたか笑 ありがとうございます。これからもぜひ読んでくださると嬉しいです( ￣▽￣) (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)
タケノン(プロフ) - ハジメマシテさん» 様付けされるような者じゃないんで！！笑 書くのは楽しいので時間のある時にコツコツこそこそと……。 (2018年6月26日 22時) (レス) id: bf709e921d (このIDを非表示/違反報告)
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