【名前変換オリジナル】記憶保有期間、一年。

腹痛 ページ24

「一条ー。朝の検診だよー」

ガチャ、とドアが開いて相楽先生が部屋に入ってくる。

「……大丈夫？」

先生は布団の中で丸まっている私を心配そうに覗き込む。

「……朝食のあと、から、腹が、いたい」
「そうかー。触診するから、ゆっくり身体伸ばして」

……身体を伸ばそうとするが、動くのがなかなか辛い。
何とかのばしきると、先生は優しく微笑んだ。

「よし、いい子だね。……お腹触っていくからね」

お腹をぐっと圧迫されて、私は悲鳴をあげる。

「っ！！いたっ、っあ！！」
「……はい、いいよ。ごめんね、痛かったね」

先生は何か考えている様子で、顎に手を当てる。

「……明日、一個検査しよっか」
「……何の？」
「胃にカメラを入れる検査」
「……」

先生は私の頭を撫でた。

「検査しないと何の病気かわからないだろ？」
「……わかんなくても、いい」

相楽先生がため息をつく。

「……一条」

怖いのだ。だって胃にカメラを入れるとか正気の沙汰とは思えない。

嫌な沈黙が流れる中、病室のドアが開く音がした。

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