11 ページ13
ぽかんとした顔の彼をじっと見つめる。アイディアがないならこれでいいだろうという訴えだ。
途端に彼は目を輝かせ笑顔になり、
「うわ！！」
私の手を奪い取った。
「すごいすごい！！！！Aちゃん天才だよ！！！僕じゃ思いつかなかった！！！！！連れてきた子がAちゃんでよかったよ！！！！！！」
「おちついて！！てをはなして！！」
彼は私の手を両手で包み込み、コーヒーの乗ったテーブルを揺らさない程度に上下に振った。
急な彼の行動に声を荒げてしまったが誰だってびっくりするだろう。
「あ、ごめんね。仕事がうまくいきそうでうれしくって！手痛くなかった？大丈夫かな？」
痛みはないがなんだか泣きたくなってしまった。
「心配しなくてもこの程度で怪我なんかしないよ。提案気に入ってもらえたようで良かった。」
「何処に行くかなんて些細な未来だから少し視るのに少し時間がかかっちゃうかもしれない...もしAちゃんが大丈夫だったら一度部屋から出てもらってもいいかな？」
「分かった。少し街を歩いてくるよ。何時ごろに戻ればいい？」
「1時間あれば十分！」
「了解。それじゃ、準備したら出ていくね。」
私はテーブルにある残っていたコーヒーを飲みほし、席を立った。
準備といっても着替えなどはないし、荷物もほとんどないため手ぶらで外に出るが。
「AちゃんAちゃん！良ければお金渡すから何か買ってきてもいいよ！」
と言われ彼から財布を受け取った。
「ありがとう。頑張ってね。」
「...！うん！！頑張るよ！！行ってらっしゃい！」
「...いってきます。」
部屋を出て階段を降りつつ彼から受け取った財布をポケットにしまう。
宿を出てまず目につくのは朝市だ。先程窓から見た時より賑わいが増しているように見える。朝市で買う物なんてないが、暇つぶしにいろいろな店を見て回った。
しかし、朝市に並ぶものは食べ物が多く試食を何度も勧められてしまった。もちろん断ったけどね。
初めての仕事、私はホームレスの少女を演じなければならない。自分の服装を確認する。
ホームレスがこんな服を着ているかというと否である。何事も形からというだろう。私は服屋を目指すことにした。
因みに今の私の服装は白のブラウスにサスペンダーのついた裾が広がっている茶色のショートパンツだ。
歩いているときに頭を埋め尽くすは先程華月に言われた、手は痛くなかったか、ということだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 54人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
棺桶(プロフ) - 堕天使魔夜降臨さん» ありがとうございます!!たくさん更新出来るようにこれからも頑張ります!! (2017年8月18日 8時) (
レス) id: 0534bdeeac (このIDを非表示/違反報告)
堕天使魔夜降臨(プロフ) - 棺桶さん» 崩壊がwwwでも最新楽しみ〜↑↑↑ (2017年8月18日 8時) (レス) id: d184e113ad (このIDを非表示/違反報告)
棺桶 - 朱りんごさん» 有難うございます!!頑張ります (2017年7月17日 16時) (レス) id: 58ba19cff9 (このIDを非表示/違反報告)
朱りんご - 棺桶さん» ずっと応援します〜〜！(>▽<) (2017年7月15日 13時) (レス) id: 0c60321ebd (このIDを非表示/違反報告)
棺桶 - 朱りんごさんコメ有難うございます!!更新頑張るのでこれからも応援してくれると嬉しいです!! (2017年7月2日 18時) (レス) id: 58ba19cff9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：棺桶 | 作成日時：2017年4月26日 19時
