【歌い手】席、どうぞ３【Eve】

＊＊＊ Eve side ページ18

関係者席



もうそれしかないと思った



会いに来て欲しい



会いたい



でも返事がなかなかないから



「あ、もしかして明日用事とか...」



あるって言われたら嫌なくせにそんなこと聞いちゃって



『ない、です』



ない。



ないなら！！



「なら僕にまた会いに来てくれませんか！」



『えっ』



あっ、



言っちゃったよ



会いに来てくれませんかなんて



柄にもないこと



言っちゃった



『会いに来たい、です』



その言葉に安心した



僕にはまだチャンスがある



「えっへへやったあ」



にやけすぎてかなり僕気持ち悪いと思う



でもいつのまにかAさんまで笑顔になってて



『あははwwwwww』



気づけば笑いあえてた





「あっ、あの」



『え？』



連絡先が



聞きたいです



「明日関係者席なんですけど、情報がもれないように当日に入口とかの連絡をしなければいけない決まりで。だから」




「だから連絡先、交換しませんか？」




当日に連絡しなきゃいけないなんて嘘



僕はただ連絡先が知りたかっただけ



なのに変な嘘ついちゃって



ごめんなさい



『え、い、いいんですか...』



Aさんは消え入りそうな声でそう言った



"いいんですか"



それはOKの意味なのかな。



そう信じて。



「交換しましょ、？」



『はい...!!!』



その時のAさんの笑顔は見たことがなかった



可愛い



その一言しか言えないけど



やっぱり僕は大好きです。



連絡先が交換できるなら



僕はAさんの笑顔をずっと見れるかもしれない



少しでも可能性が上がった気がする

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