Episode136.傍にいるから-side.you【終】 ページ47
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まるで演説のように語るグルッペンさんに、思わずポカンと口を開けた
次いでなんだか可笑しくなってきてしまって、クスクスと笑い声を漏らす
なんだかはちゃめちゃだな。貴方達って本当
『本当に、......あんたらどうかしてるよ』
「それは褒め言葉として受け取るゾ！」
それで答えは？とでも言いたげに、グルッペンさんが首を傾げる
「......グルッペンさんの誘いは嬉しいです。......だけど俺は」
自分の力で、幹部に上りつめたい
ロケットを強く握り締める
もとより俺はずるいことが大嫌いな性格だ
勝負は正々堂々真正面からするものだし。
それをグルッペンさんに伝えれば、残念そうに、けれどどこか満足そうに「そうか」と答えた
『ふふっ、見ててくださいよ！次の戦争でコネシマさん達の出番が
なくなるくらい活躍してやりますから！！』
「体力ないお前には無理やろ」
「んふ、その前にAうちの部隊やから戦場にはあまり出られへんで」
『えっ』
そんな会話をしているうちに、コネシマさん達が言い争いを始めた
流石に墓地では弁えているのか、武器を使用せず言い合いだけで済んでいる
うーん賑やか。
そう思いながら彼らの言い合いを眺めていれば、兄さんがそっと隣に立ってきた
『......兄さん』
「Aがここまで上りつめんの、楽しみにしとるわ」
『......見ててよ。すぐに追いついちゃうから』
「はいはい」
俺達の間に、穏やかな沈黙が流れる
ふと、兄さんの被るヘルメットの上に鎮座するゴーグルに違和感を覚えた
『...ねえ、兄さん。ゴーグルどうしたの？』
「え？......ああ、ちょっとレンズのとこ割ってしもうて」
『......そっか』
まあ父さんが使ってたものだし、寿命だったのかなぁ
少し寂しくけれど、購入してから時間が経ってるだろうし仕方ないという思いもある
使えなくなってしまったが、どうやら捨ててはいないらしい
他に使い道はないのかな、なんて考えていればふと視界の端に映った墓石に、ピンと閃いた
『兄さん兄さん』
「んー？」
『その壊れたゴーグル、俺に頂戴』
「は？なんで？」
『いいこと思いついたんだ』
俺の話を聞いた兄さんは、優しく微笑んだ
.
きっとこれからも、たくさんの困難が待ち受けているのだろう
苦しくて、苦しくて、逃げ出したくなるときもあるかもしれない
だけどそれでも
それでも、大丈夫だと思えるのは
きっとあの人が記憶の傍にいるから。
END
作者です→←Episode135.歓迎しよう-side.you
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Rettosei_0822(プロフ) - とても面白かったです！これからも執筆頑張って下さい。最後のshpから譲り受けたゴーグルはどうなったんですか？ (5月31日 3時) (
レス) @page48 id: c34cfad174 (このIDを非表示/違反報告)
雫 - もう最高でした! それから涙腺崩壊何回したことか…。・°°・(＞_＜)・°°・。作者様このような作品有難う御座います。ふふっ楽しく悲しく読ませていただきました。 (2020年6月14日 12時) (レス) id: 823e106573 (このIDを非表示/違反報告)
モノトーン - 性癖にドストライクでした。こんな神作をありがとうございました。次の作品もめっさ楽しみに待ってます。 (2020年4月3日 22時) (レス) id: c6c1282ede (このIDを非表示/違反報告)
HARUKA(プロフ) - 感動して泣きました。この様な素晴らしい作品に出会えてとても幸せです。素晴らしい作品を作って頂き、本当にありがとうございました。これからも頑張って下さい。 (2019年8月4日 16時) (レス) id: c358560c76 (このIDを非表示/違反報告)
クロ - 完結おめでとうございます。楽しく読まさせていただきました。凄く好きです…ありがとうございました…！ (2019年2月23日 22時) (レス) id: 4dc1d00e9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍色鳩羽 | 作成日時：2018年12月1日 0時
