There 's no use hoping my… (ページ5)

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渋谷 side

ああ、ほんまにこいつと居んのはなんて心地良いんやろうと内容なんて全くない、どうでも良い話を聴きながら何度思ったことか

家に帰り、1人になってしみじみと考えた

自分でもなんで他の年下の奴らよりも先に、やすにこの話をしよう思ったんは良く分からん

ただこいつなら俺の欲しい言葉をくれると思っただけだったのかもしれない

最後に自分の弱さが招いた事だったのかもしれない

やすから物理的な距離で離れていったのは自分からで、それでも彼奴となら不可視的なもの、音楽だったりあるいは心そのものだったり、そんなもので深くで繋がっていた

“ 運命共同体 ”とはよく言ったものだ

そう信じていたし、そう信じられていると疑ったことは無かった

それは今までに限らず、これからも続くという思いがやはり心のどこかにあったのだろうか

こんな決断をした自分が彼奴を信じていてもいいという免罪符が欲しかった

“ どうせ死ぬまで一緒 ”それは単に傍に居るという意味では無いと分かってくれてる確証が欲しかった

ふわりと泡が海の底からゆっくりと上がるように、ある思考が浮かび上がっては消えて行き、また別の思考が浮上する

現実と空想との間(あわい)があやふやになり、朧気に昔のことを思い出す

何だか唐突に青色のミサンガを探して、見てみたくなった

引き出しの中で保管されていたそれは、ひとつの輪だったことを忘れてしまったかのように絡まっていた

イヤホンを解くように、そのミサンガもひとつのただの糸のようにしてしまえば綺麗に結べる

結ばれて整頓されたそれはいまの2人を表しているようにも見えた