虹色花火 (ページ6)

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ただ、好きだからページ6

「ははは、なんか疲れたぁ。」

アトラクションを乗りまくり少し休憩しようということで、メリーゴーランドの前のベンチに座る。

外はもう暗かった。

「疲れた」というわりには楽しそうな望に、俺も自然に笑顔になった。

「乗るとしたら次が最後ですね。」

「あぁ、もうそんな時間か。」

望との時間はものすごく楽しく、まだ少ししか経ってないように感じた。

「先輩、なんか乗りたいのあります？」

「んー…」

目の前のレストランの奥に観覧車が見える。

ここの遊園地の観覧車はカップルに大人気で、密かなデートスポットでもあった。

最後だからええよな。なんて事を思い、俺は観覧車を提案した。

「わぁ、先輩と乗りたかったんです！」という返事が返ってきて、俺は安心した。

観覧車の列に並ぶと周りはカップルばかりで、なんだか自分達が浮いているように思えた。

番がくるのは案外早く、ピンクのゴンドラに誘導された。

乗り込むとすぐにカチャ、とロックがかけられる。

完全に二人きりの空間だ。

「なんか緊張しますね。」

そうへらりと笑う彼の笑顔はどこかぎこちなかった。

しばらくの沈黙。

お互い緊張を隠すように、外の景色をただ黙って眺める。

遊園地内の灯りがギラギラと輝いていて、とても綺麗だった。

「あの…」

沈黙を破ったのは望だった。

「流星、先輩…。」

突然呼ばれた自分の下の名前。

胸がとくん、と鳴った。

「今日は楽しかったです。で、あの…。」

俯いたときに目にかかる彼の前髪が、無駄にカッコイイ。

「…また、二人きりでどこかに行きたいです。」

「…おん。俺も、行きたい。」

そう答えると彼は顔をあげ、ニコッと笑った。

その表情がとてつもなく嬉しそうだった。

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