25話 午後十時二十五分 ページ30
楽にして……と彼女は縋るように俺に言う。
それはつまり、俺が彼女にとどめを刺す、ということ。
…そんなの。いくらAの願いだったとしてもできるわけがない。
「いやだ……それだけはできないっ…」
『お願い…私ね、頑張って生きようと、思ったんだ…けど無理だったの…』
もう疲れたよ、と呟くAから、俺たちは、既に上書きされて、無かったことにされてしまった彼女と俺たちの繰り返しの話を聞いた。そして、今日死ぬ運命だったことも知った。
Aは俺たちが死にかける度に、何度も繰り返し同じ鬼と戦い、傷つき、それでも俺たちを不安にさせないように笑っていてくれていたのだ。
いつも彼女から少し寂しげな匂いがしたのは、そういうことだったんだな……
でも、それでもやっぱり…俺はAの命を諦められ…
『炭治郎…私ね、炭治郎のこと好きだったの。
恋愛の方で、ね。 大好きなの。』
「っ……!」
俺も同じだった。Aが好きだ。
Aとは、何故かずっと一緒に居られるような気がしていたから、まだ気持ちを伝えなくても大丈夫だと安心していた。
でも、こんな突然に別れの日がやってくるなんて。
こんなことならもっと早く伝えておくべきだった。
……ほら、今伝えないと一生後悔するって分かっているのに、今しか言えないのに。
震えて声が出ない、口を開くことさえできない。
Aは悲しそうに目を伏せて微笑み、視線を次は善逸に向けた。
「っ……… 分かったよAちゃん」
善逸は腰にある日輪刀を抜き、Aに向けた。
何して……まさか、!!
「善逸だめだ!!!やめろ!!!!!」
.
.
.
手を伸ばすも間に合わず、善逸の刀はAの体を貫いた。
Aは痛みに一瞬顔を顰めたが、すぐに穏やかな顔になって"ありがとう"と言った。
それが彼女の最後の言葉だった。
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最推しに人殺しをさせてしまったぁぁあ"あ"。
善逸本当にごめんなさい!!!
次回、善逸の思いが明らかに。そして、Aが恐れていたことが起こる__…?
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めでぃ - はっ!あの??視点って誰かわかりました!! (2019年11月21日 7時) (レス) id: 44879474c1 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - ああぁあぁああ...切ないですぅぅ...泣 お話が素敵すぎて思わず感情移入してしまいました泣 更新お疲れ様です!体調に気をつけてまた更新頑張ってください! (2019年9月12日 0時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
舞菜(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 新作の方も見に来てくださってありがとうございます!嬉しいです(〃ω〃) これからも読みやすい文章を心がけて更新頑張るので、楽しみにしていてください! (2019年9月6日 0時) (レス) id: 1e7a191f2a (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お話とっても魅力的ですね!読むうちにどんどん引き込まれてしまいました!体調に気をつけて更新頑張ってください!応援しています! (2019年9月5日 1時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞菜 | 作成日時:2019年9月3日 0時