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20話 十一月 四日 午後七時八分 ページ24

月が綺麗な夜。




Aとお揃いの髪飾りを嬉しそうに眺めては、付けたり外したりする禰豆子の様子を伝えようと、Aの姿を探す。





「A!」





縁側で月光浴をしていたらしいAは、俺の方を振り向くとふわりと笑った。






『炭治郎』


「わっ、…A……?」






ふらふらと近づいてきたAは俺の前まで来ると、抱きついてきた。



俺の肩に顔を埋めるA。







…表情が見えないな……

今日は屋敷の外にある藤の花の香りが強くて彼女の匂いも分からない。






『………』






もっ、もしかして泣いているのか?!
こういう時どうすれば…






『炭治郎、私のこと忘れないでね』





Aは時々こう言う。

俺はずっと、彼女は寂しがり屋だから"忘れないで"とよく言うのだと思っていた。





だけど今、なんとなく、いつもの"忘れないで"が別れの言葉のように感じた。







「なんでそんな、今にも消えてしまいそうなことを言うんだ?」



『……』






Aは腕の力を少し強めただけで、何も答えなかった。








「A、」


『…炭治郎も善逸も伊之助も禰豆子ちゃんも、みんな私のためにあの大きな鬼と戦ってくれた。嬉しかったよ。』






あの大きな鬼…? なんの話だ…?
Aの言っていることがよく分からない。






『けどだめだね、何度繰り返しても結果は同じ。
終いには、私が生き残ろうとしたせいで、みんながあんな残虐な殺され方して…』






なんだ?
Aは何を言っているんだ?







「A、?」



『ごめん、私が何言ってるか全然分かんないよね。
でも私はみんなが必死に戦ってくれたこと、覚えてるよ。

……でもね、もういいんだ。本当にありがとうね、炭治郎』



.









.









.








俺は去っていく彼女を引き止めることができなかった。

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めでぃ - はっ!あの??視点って誰かわかりました!! (2019年11月21日 7時) (レス) id: 44879474c1 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - ああぁあぁああ...切ないですぅぅ...泣 お話が素敵すぎて思わず感情移入してしまいました泣 更新お疲れ様です!体調に気をつけてまた更新頑張ってください! (2019年9月12日 0時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
舞菜(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 新作の方も見に来てくださってありがとうございます!嬉しいです(〃ω〃) これからも読みやすい文章を心がけて更新頑張るので、楽しみにしていてください! (2019年9月6日 0時) (レス) id: 1e7a191f2a (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お話とっても魅力的ですね!読むうちにどんどん引き込まれてしまいました!体調に気をつけて更新頑張ってください!応援しています! (2019年9月5日 1時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:舞菜 | 作成日時:2019年9月3日 0時

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