14話 【貴方目線】 ページ18
私がこの世界からいなくなったとき、みんなの記憶から私との思い出が全て消える。
それが嫌で嫌で仕方なかった。
なんで私だけこんな目にあわなくてはいけないんだって、ずっと悔しかった。
.
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禰豆子ちゃんに髪飾りを渡そうと思ったのも、
伊之助に天ぷらをたくさん作って甘やかすのも、
善逸にネックレスをプレゼントしたのも、
炭治郎と二人で出かけようって言ったのも…
少しでも私との記憶が印象に残るように。
そして、
少しだけでもいい、覚えていてほしくてしたことだった。
未練がましいね。分かってる。
…私は時間を止められる力も、時間を戻す力もいらないし、時の呼吸の使い手なんかに生まれたくなかった。
生まれた時から死ぬ日が決まっていて、それが近づいてくると自分が死ぬ夢を見る。
その夢を見たときの、なんとも言えない気持ち…
みんなにはきっと分からないでしょうね。
私はずっとみんなと一緒にいたかった。
ただそれだけなのに。
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次の朝、任務へ行くための支度を済ませ外へ出ると、炭治郎、善逸、伊之助が外で待っていた。
「A、かまぼこの野郎から聞いたぜ!お前一人だけ強ぇ鬼と戦うなんてずりぃぞ!!!」
「そっ、そういう問題なの?!
っ…あぁああ行きたくないぃ、でも…俺、Aちゃんのために頑張るから!!!一緒に行かせて!」
ああ、三人揃ってしまった。
夢で見たとおりのメンバー。
三人は、どう頑張ったって私は死ぬ運命なんだということを知らない。
言うつもりもない。
だって、言ったところで、何も変わらない。
何したって意味がないのだから。
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めでぃ - はっ!あの??視点って誰かわかりました!! (2019年11月21日 7時) (レス) id: 44879474c1 (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - ああぁあぁああ...切ないですぅぅ...泣 お話が素敵すぎて思わず感情移入してしまいました泣 更新お疲れ様です!体調に気をつけてまた更新頑張ってください! (2019年9月12日 0時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
舞菜(プロフ) - ただのアニメ好き☆さん» 新作の方も見に来てくださってありがとうございます!嬉しいです(〃ω〃) これからも読みやすい文章を心がけて更新頑張るので、楽しみにしていてください! (2019年9月6日 0時) (レス) id: 1e7a191f2a (このIDを非表示/違反報告)
ただのアニメ好き☆(プロフ) - お話とっても魅力的ですね!読むうちにどんどん引き込まれてしまいました!体調に気をつけて更新頑張ってください!応援しています! (2019年9月5日 1時) (レス) id: 4ee9350697 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:舞菜 | 作成日時:2019年9月3日 0時