使命 ページ29
モヒートを飲み干して、ふっと息をつく。
「...じゃあ、行ってきます。」
席を立って財布を取り出すと、レイさんが首を振った。
「今日はサービス。その代わりAちゃんの事よろしくね？」
「...はい。ごちそうさまでした」
「元気になったらまた来てって伝えて？待ってるよって。」
「はい」
「あ、ちゃんと連絡してから行ってよ？」
「突然行くのも面白いんじゃないか。Surprise！」
「ダメよぉ〜女には事情ってもんがあるんだから」
「...連絡してから行きますから」
「うん、その方がいいわ。あんまり気遣わせちゃダメよ？」
「わかってますから...あのもう行っていいすか」
「早く行きなさいよ何してんの？」
誰のせいだよ...。
やっと店を出て、タクシーを探す。
歩きながら彼女に電話をかけた。
呼び出し音を聞きながら、図られたのかと不意に気付く。
すぐに出てきたモヒート、サラダのサービスも珍しいし。
この差し入れだって、様子を見て来いとレイさんが言った直後にはもう用意されてい
『っもしもし...』
はっとする。
彼女の声は、少しかすれていた。
「...もしもし、こんばんは。」
『こんばんはっ...どうしたんですか？』
「あ、いや...大丈夫ですか、具合。」
『ああ、はいっもう、大丈夫です』
「まだ声が、アレですね」
『...そうですね、ちょっと。へへっ...』
「あの実は、マスターから差し入れ預かってて。」
『...へっ？』
「あったかい飲み物。これから持って行ってもいいですか」
『......えっ、家に？』
「...家にいるんですよね？」
『います...えっ、すみません、わざわざ...いいんですか？』
「別に、近いし。全然」
走って来るタクシーを見つけて、片手を上げる。
「じゃあ、行きますね。部屋はどこですか？」
『いやっ、あの下まで降りますから』
「ダメですよ。病人動かしちゃ意味ないでしょ」
停まったタクシーに乗り込んだ。
『すみません...303です』
「わかりました。これから向かいます。」
スマホを閉じて、運転手に道を指示した。
シートに背中を預けると、自然とため息が漏れる。
平静を装って話せはしたけど、鼓動が早くなっていた。
渡して、すぐに帰ればいい。
頼まれただけだから。
そう言い聞かせながら紙袋の中のタンブラーを意味無く目視した。
触れると、温かかった。
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nico(プロフ) - karanafnさん» キュンキュンしますか？(^-^)嬉しいです！ギョンスはいつになったら素直になるんでしょうか？次章にご期待ください(保証はできません)(^｡^) (2017年6月24日 13時) (
レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
karanafn(プロフ) - ギョンス素直になってぇT_Tでもそのもどかしさが好きです！！！キュンキュンします！ (2017年6月23日 13時) (レス) id: ddff2ab7b9 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - HAPPAさん» 初めまして、コメントありがとうございます！こちらこそ、読んでくださって本当にありがとうございます。あったかい気持ちになるなんて、すごく嬉しいです。次章も是非お付き合いください。頑張ります！(^-^) (2017年6月21日 23時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
HAPPA(プロフ) - 初めまして☆いつも素敵なお話ありがとうございます。本当に楽しく、切なく、でも優しいお話であったかい気持ちになれます。これからも続き楽しみにしてます(^^) (2017年6月21日 23時) (レス) id: c3e69e13fc (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - クミさん» コメントありがとうございます！嬉しいです。更新が多いと言ってくださって恐縮です…もっと頑張れたらいいんですが（´-`）この先どうなるのか、続きも読んでもらえると嬉しいです(^-^) (2017年6月15日 1時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nico | 作成日時：2017年4月26日 21時
