He's a friend ページ8
「...ただいまー」
玄関に入ると、走ってくる足音。
「おかえりっ」
「ただいまぁ...」
「帰って来ないかと思ったー...」
「ルハニ、」
「ん？」
「私、ドさんと友達になった...」
「えっ、友達...？」
「うん、友達...」
「えっ、友達って、フレンド？」
「え？...うん、フレンド...？」
「...えっ、それって、...せっ、せっ、セック」
「ちょちょちょーっ！違う違うっ！ただの友達！ジャストフレンド！！」
「...あっ、なんだ...ジャフレか...」
「なにジャフレって」
とんでもない勘違いです。
「......と、いう事でした。終わり。」
「はあぁぁぁ〜......」
ルハニの長いため息。
私の長話で、また遅くまで夜更かしさせて。
毎度申し訳ない...。
「...ごめん、すぐに言葉が出て来ない。」
「うん、大丈夫だよ。そうだよね。あり過ぎてね。」
私も、頭が追いつかなかったもん...。
「...なんか、大変じゃない？」
「ドさん？」
「...この、恋が。」
「......ハァ〜......そうだねぇ...」
「...大丈夫？」
「大丈夫、じゃないかも。...でも、好きだから...」
「それなんだよなー...」
頭を抱えるルハニ。
私の事でこんなに悩ませちゃって...。
ごめんね、と、ありがとう。
「...ルハニ、あのね」
「ん？」
「私、隣町に、引っ越すね。」
「えっ...！」
揺らいでたけど、もう決心した。
「ドさんの近くに行きたい。」
「A。」
ルハニが、私の手をつかんでぎゅっと握った。
「...ちゃんと考えた方がいいよ。」
真剣な顔。
心配してくれてるんだ。
握られた手が、あったかい。
「...色んな可能性を考えてね。ずっと住めるのかどうか。」
「うん、考えたよいっぱい。...もしドさんをほんとに諦めなきゃならなくなった時とか、ね」
「...うん。」
「ダメになるかもしれない。ここに越して来なきゃ良かったって思う時が来るかもしれない。」
「うん。」
「でも、それよりも、今そうしたいって思う事を大事にしたい。ドさんに、近づきたいって、思うから」
「......そっか。」
ひとつため息を吐いて、ルハニは笑った。
「もうお手上げだよ。」
「え、なにが？」
「Aの情熱がすごくてさ。」
「へへっ...馬鹿みたい？」
「恋の病につける薬はないねー。」
「そっか、私って病人か。」
「重度のね。」
あははっと笑った。
ルハニに話して、すごくスッキリした。
ドさんの心の病につける薬は、見つかるかな。
見つけたいな。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 433人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nico(プロフ) - あーこさん» 初めまして！コメントすごく嬉しいです。ありがとうございます！ひゃ〜キュンキュンしてもらえて良かったです…！まだもう少し続きますのでよろしくお願いします(^-^)頑張ります！ (2017年9月2日 21時) (
レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
あーこ(プロフ) - 初めましてコメさせていただきます^ ^ 久しぶりにお腹の奥がキュゥーっと痛む感覚のキュンキュンさを感じてます…！ 寝るのも忘れて一気読みしてしまいました。まだこの小説終わって欲しくないです〜（ ; ; ） 応援してます！ (2017年9月2日 10時) (レス) id: ecfd3f6e56 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - himeさん» うわあ(T-T)嬉しいです…主人公の気持ちと共鳴してもらえたらもう本望です。ありがとうございます^_^ (2017年4月16日 1時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
hime(プロフ) - ほんとに、このギョンスにいちいちときめきます(笑)毎回楽しみにしてます♪ (2017年4月16日 1時) (レス) id: 1f8feccce8 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - あやさん» ベッキョンは笑顔が一番、ほんとそう思います。ハッピーエンドか否かは、ギョンスが素直になれるかどうかにかかってますね…（´-`） (2017年4月14日 22時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：nico | 作成日時：2017年2月7日 20時
