失格 ページ39
ちょうど客も周りにいなかったから、ポケットの中で震えたスマホをすぐに開いた。
彼女からのLINEだった。
すぐに見なきゃ良かった。
いやスマホを持って仕事するんじゃなかった。
終わるまでの時間がじれったくて、ソワソワした。
今日は元々行く予定だったから。
もう何度も、一体誰に言い訳してるんだろう。
自分の本音はわかりきってるのに。
長く感じた営業時間を耐えて、やっと０時。
レジ締めに入る。
別のレジで作業するベッキョンをちらっと見た。
あれから、極端に会話が減った俺達。
高校からの付き合いの中、今までこんな状態になったのは初めて。
休みの日にも会っていたのがもう嘘のように、交わされる会話はもはや業務内容だけ。
彼女の話も一切出ない。
だから奴が彼女に対して今どういう事になっているのか、知る術は無かった。
そして俺は、平然とこの後彼女に会いに行く。
ベクの応援役という立場は忘れずに、彼女と"偶然"会えるように。
奴が早く彼女をものにしてくれないと、俺はいつまでもそうやって...
「ヒョンって、あの常連さんとどうなってんすか」
はっとする。
セフンがベッキョンの元へ来て言った言葉。
俺は仲間には加わらず、手を動かす。
「あー...うん、いい感じ。」
「まじっすか。デートとかしてんすか」
「うん、今度また」
「へー、いいすね」
良かった。
順調、みたいだ。
「俺、今仲良い女の子が２人いるんすけど、」
「ふーん」
「どっちか彼女にした方がいいのかなーとか思うんすけど、決定打が無くて」
「なんだそれ。」
「どっちもどっちっつーか、同じ並びで。どうしたらいいすかね。」
「知るかよ。」
ベクが鼻で笑ったのが聞こえた。
「...ギョンスさんは、」
顔を上げると、今度はこっちに来るセフン。
「あの後どうなったんすか？なんか、誘われてるって──」
やばい、と硬直する。
視界の端でベクがこっちを見ているのがわかる。
「...ああ、断ったよ。」
「え〜そうなんすか...もったいない。ほんとは行きたかったんじゃないんすか？」
セフニは悲しげに眉を下げて、口を尖らせた。
この話は早く終わらせなきゃ。
「全然。」
「そうすかぁ...」
ベクが何も言って来ない事が逆に緊張した。
「...お疲れしたー」
事務所に戻ると、ベクは素早く着替えてさっさと帰って行った。
ここの所ずっとそうだ。
その態度に少し落ち込みながらも。
これからしようとしてる事を思えば、俺にそんな資格は無いなと思った。
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nico(プロフ) - あーこさん» 初めまして！コメントすごく嬉しいです。ありがとうございます！ひゃ〜キュンキュンしてもらえて良かったです…！まだもう少し続きますのでよろしくお願いします(^-^)頑張ります！ (2017年9月2日 21時) (
レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
あーこ(プロフ) - 初めましてコメさせていただきます^ ^ 久しぶりにお腹の奥がキュゥーっと痛む感覚のキュンキュンさを感じてます…！ 寝るのも忘れて一気読みしてしまいました。まだこの小説終わって欲しくないです〜（ ; ; ） 応援してます！ (2017年9月2日 10時) (レス) id: ecfd3f6e56 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - himeさん» うわあ(T-T)嬉しいです…主人公の気持ちと共鳴してもらえたらもう本望です。ありがとうございます^_^ (2017年4月16日 1時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
hime(プロフ) - ほんとに、このギョンスにいちいちときめきます(笑)毎回楽しみにしてます♪ (2017年4月16日 1時) (レス) id: 1f8feccce8 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - あやさん» ベッキョンは笑顔が一番、ほんとそう思います。ハッピーエンドか否かは、ギョンスが素直になれるかどうかにかかってますね…（´-`） (2017年4月14日 22時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nico | 作成日時：2017年2月7日 20時
