Cloud ページ12
ドさんは、雲のような人だ。
「...こんばんは。お久しぶりです。」
「こんばんは...」
待ち合わせ場所に行くと、やっぱり先に来て待っていた。
映画の時も、飲み会の時も。
いつもこうして、色白の頬を赤くして、寒い中待ってるんだ。
「...予約入れてあるみたいなんで。行きましょっか。」
「はい。」
歩き出すと冷たい風が吹いて、髪をはらった腕から香水が香った。
誕生日にルハニがプレゼントしてくれた、お気に入りの香り。
昨夜、悩む私を見かねて一緒に服を選んでくれた。
今朝は、楽しんで来てねって、優しく笑いながら。
服も香水もメイクも髪も全部、ドさんに会うため。
そのドさんは、来ない。
「すみません。ギョンス、来れなくなって」
「...いえ。」
【行けなくなりました】
２時間前、画面の中の文字に愕然とした。
でも不思議と、すんなり消化できた。
あり得ない事だとは思わなかった。
悲しいけど。
きっと初めから、来る気は無かったんだ。
掴んだ、と思ったら、全然掴めてない。
雲のような人。
「...大丈夫ですか？」
黙って後ろを着いて行く私を振り返った。
その表情は、窺うように上目遣い気味で。
罪悪感めいたものが胸に渦巻く。
気を遣わせてるのがわかって、逆に気を遣う。
こうなってしまったのは全部自分のせい。
前は、居心地良かったのになぁ...。
「...やっぱり、ふたりだけってのは、きついですか」
「あぁ、いや、いえ...大丈夫です」
ビョンさんは苦笑いして、前を向いた。
お互い、ぎこちなさが目立つ。
「あいつ...せっかく休み合わせたのに急用って、ったく...」
前を歩きながら、独り言みたいに話すビョンさん。
その言葉が引っかかった。
【代わりにビョンベッキョンが行きますから】
【美味い店を予約したから、せっかくだし食べに行ってみてください】
...そっか。
きっとビョンさんには、３人で行くていで話をしていたんだ。
それで、行けなくなったからって抜けて、残ったこの２人。
ビョンさんはそう思ってるんだ、多分。
「...えっと、ここを曲がる...？」
タオ君と待ち合わせした同じ駅。
なんとなく、もしかしてと思っていたけど。
あの時辿った道と全く同じだから、段々確信が強くなっていく。
「...あ、あそこですね。」
やっぱり、同じ店だった。
ドさんは本当にここが気に入ってるんだなぁ。
「どうぞ。」
「あっ、ありがとうございます。」
ビョンさんが開けてくれたドアから中へと入る。
二度目の、来店。
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nico(プロフ) - あーこさん» 初めまして！コメントすごく嬉しいです。ありがとうございます！ひゃ〜キュンキュンしてもらえて良かったです…！まだもう少し続きますのでよろしくお願いします(^-^)頑張ります！ (2017年9月2日 21時) (
レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
あーこ(プロフ) - 初めましてコメさせていただきます^ ^ 久しぶりにお腹の奥がキュゥーっと痛む感覚のキュンキュンさを感じてます…！ 寝るのも忘れて一気読みしてしまいました。まだこの小説終わって欲しくないです〜（ ; ; ） 応援してます！ (2017年9月2日 10時) (レス) id: ecfd3f6e56 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - himeさん» うわあ(T-T)嬉しいです…主人公の気持ちと共鳴してもらえたらもう本望です。ありがとうございます^_^ (2017年4月16日 1時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
hime(プロフ) - ほんとに、このギョンスにいちいちときめきます(笑)毎回楽しみにしてます♪ (2017年4月16日 1時) (レス) id: 1f8feccce8 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - あやさん» ベッキョンは笑顔が一番、ほんとそう思います。ハッピーエンドか否かは、ギョンスが素直になれるかどうかにかかってますね…（´-`） (2017年4月14日 22時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nico | 作成日時：2017年2月7日 20時
