間違い ページ1
俺は、どこから間違った？
「...ね、これ食べてみて？昨日焼いたんだけど、」
「えー美味しそう。チョコレートケーキですか？」
「ブラウニーってやつ？」
「......ん！美味しいです！」
「ほんと？やったぁ。ギョンス君も食べて？」
幸せそうな笑みを浮かべて頬張ってる彼女を見て、考える。
ここに連れて来たのが。
いや、誘ったのが。
違う、ホームで声をかけてしまったのがそもそも間違っていた。
「...この間、差し入れしたスノーボール、」
「うん？」
「彼女が働いてるカフェの、なんですよ。」
「え？あっそうなの！？ギョンス君にもらったんだけど、すごい美味しかったよ〜！」
「...あぁ、そうなんですか。良かったです、お口に合って」
照れくさそうに笑ってる。
その顔から目を逸らして、グラスを傾けた。
なんで声をかけてしまったのか。
それは、この人に近づきたいから。
更なる核心に辿り着いてしまう前に考えるのを止めた。
まだ、大丈夫。
間違ってるとわかっていればいい。
まだ修正できる。
「Aちゃんが作ってるの？」
「はい、多少...」
「ケーキも美味しいんですよ。」
「うわ、行きた〜い！」
「あ、ぜひぜひ...」
店の場所を聞くレイさんに、丁寧に駅からの行き方を説明してる。
甘いブラウニーを食べながら、彼女の店のガトーショコラを思い浮かべていた。
ベクと二度目に行った時は、彼女は厨房から出て来なかった。
また、行こう。
ベクを連れて。
...俺は行かない方がいいか。
「...あ、ちょっとすみません。」
そう言うと、彼女は鞄からスマホを取り出して操作し始めた。
相手はベクかもしれないと思うと、途端に居心地が悪くなる。
「...すみません、友達がちょっと心配してて、」
俺の視線に気付いて、困ったように笑いながらスマホを鞄にしまった。
「心配？」
「あ...時間が遅いから...一緒に住んでるので」
前に、電話してきた友達か。
そういえばあの時も、俺は間違った事をした。
いや、でも、あの時は深夜で、彼女ひとりでは危なかったから。
...なんて。
言い訳がましいと、自分でも思う。
スマホの画面を見て、時刻を確認した。
「そろそろ、帰りましょうか。」
彼女は何も答えず、目を逸らしてまだ残ってるブラウニーに手を伸ばす。
何気なく視線を動かすと、カウンターの中でレイさんが俺達を見守っていた。
それはそれは、あったかーい微笑みで。
レイさん、残念だけど。
俺は、彼女には手を出さないよ。
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nico(プロフ) - あーこさん» 初めまして！コメントすごく嬉しいです。ありがとうございます！ひゃ〜キュンキュンしてもらえて良かったです…！まだもう少し続きますのでよろしくお願いします(^-^)頑張ります！ (2017年9月2日 21時) (
レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
あーこ(プロフ) - 初めましてコメさせていただきます^ ^ 久しぶりにお腹の奥がキュゥーっと痛む感覚のキュンキュンさを感じてます…！ 寝るのも忘れて一気読みしてしまいました。まだこの小説終わって欲しくないです〜（ ; ; ） 応援してます！ (2017年9月2日 10時) (レス) id: ecfd3f6e56 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - himeさん» うわあ(T-T)嬉しいです…主人公の気持ちと共鳴してもらえたらもう本望です。ありがとうございます^_^ (2017年4月16日 1時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
hime(プロフ) - ほんとに、このギョンスにいちいちときめきます(笑)毎回楽しみにしてます♪ (2017年4月16日 1時) (レス) id: 1f8feccce8 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - あやさん» ベッキョンは笑顔が一番、ほんとそう思います。ハッピーエンドか否かは、ギョンスが素直になれるかどうかにかかってますね…（´-`） (2017年4月14日 22時) (レス) id: ff69cf6a49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：nico | 作成日時：2017年2月7日 20時
