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その声は紛れもなく樹さんだった。

岩陰からこっそり覗いてみると、先程も見かけた美人さんと一緒にいた。

これって、私のこと話してるんだよね?

1発ヤッて終わり・・・?

やっぱり樹さんは噂通りの人なんだ。

今だって、美人さんの腰に手を回してる。

彼女は既婚者だ。


『夜はその子誘うなら、今は私の相手してよ。』


彼女はそう言うと、さらに体を密着させて樹さんに抱きついた。


『お前、欲しがりだな。』


次の瞬間2人の唇が重なって、私は咄嗟に目を逸らす。

怖くなってその場から静かに立ち去った。

私・・・あんな人のこと好きだったんだ・・・。

北斗が忠告してくれてたのに。

そんなことないって心のどこかで思ってた。

あの時北斗を信じてれば、北斗との距離も少しは縮まってたのかも。

なんだか情けなくて涙が出る。

その時、急にうしろから腕を掴まれて。

驚いて振り向けばそこにいたのは・・・北斗だった。


「北斗・・・。」


「・・・なんで泣いてんの?」


「え?!あ、いや、なんでもない・・・。」


慌てて目をこすり涙を隠そうとしたけど北斗の大きな手に阻止される。


「こすったら赤くなる。」


「うん・・・。」


「田中樹のことで泣いてんだろ?」


「ち、違うっ!」


違わないけど・・・違う。

樹さんのこともショックだったけど

この涙は北斗に嫌われてる自分が情けなくて出てきたの。


「じゃあ何?」


怪訝そうな顔で問い詰める北斗。

そんな、正直に言えるわけないじゃん・・・。


「・・・まぁ、言いたくないならいいけど。」


言いたくないんじゃなくて言えないの。

だって叶わないってわかってるのに。


「1人で泣くなよ。」


「え?」


ふわりと抱きしめられる。

期待させないでよ・・・。諦められないじゃん・・・。

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nico(プロフ) - キミさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました!また次の作品でお会いできたらと思います(o^^o) (2019年11月6日 11時) (レス) id: da5b40ac54 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - miumusicさん» 最後まで読んで頂きありがとうございました!北斗くんの続き、思い浮かんだら書きたいと思います(o^^o)その時はまたよろしくお願いします! (2019年11月6日 11時) (レス) id: da5b40ac54 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - おむらいすさん» ありがとうございます!みなさんの評価、コメントが励みでした(^^)またお会いできたらと思います(o^^o) (2019年11月6日 11時) (レス) id: da5b40ac54 (このIDを非表示/違反報告)
nico(プロフ) - jesstanさん» 最後まで読んでいただき、ありがとうございます!次の作品、まだ考えてませんがまたお会いできるのを楽しみにしてます(^^) (2019年11月6日 11時) (レス) id: da5b40ac54 (このIDを非表示/違反報告)
キミ(プロフ) - 完結お疲れ様でした!需要しかございません!また楽しみにしてます! (2019年11月4日 23時) (レス) id: b5d2cbfd12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:nico | 作成日時:2019年8月18日 7時

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