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〜purple〜
やすの御所望により(俺の虫嫌いも考慮してくれて)、晩飯までの間、ビーチへ繰り出すことになった。
シュノーケリングも出来るみたいやけど、やす、それもアカンのやろか‥‥‥？ 一応準備していこ。
真っ白な砂のビーチに足を踏み入れると、やすは瞳をキラッキラ輝かせて、
「わぁ〜！キレイやな〜♪」
おまえがな！
「しんちゃん、はよ行こーぉ！」
って、水を求めて駆けていく。
俺も後に続いて、水かけ合ったり、きゃっきゃして、中坊みたいに遊んでもうた。
冷静になったら三十路の男ふたりで何してんやろ？って感じやけど、こういうのんは冷静になったら負けや、楽しんだったらええねん！
‥‥‥しかしや、急にテンションMAXでいってもうたから、息が上がるのも早くて、波打ち際に大の字で倒れ込む。
「ちょ、もうアカン！体力あらへん！タイムや！休憩〜！」
「もぉ〜、しんちゃん、おっさんやんｗ」
「あと、何年かで、四十やねんから、しゃーないんです〜。」
「ははっｗ ほんならおれも、おっさんや〜。」
そんなん言いながら、俺のすぐ横にやすも転がってきた。
投げ出した俺の腕を枕にして。
水族館でくっついたときは、めっちゃ気にしとったやんけ‥‥‥。
「あー、やす？ ここも結構人いっぱい居るで？」
「ん、ええの。誰も見てへんよ。」
他の人らのはしゃいでる声が遠くに聞こえる。
穏やかな時間‥‥‥。
「それよかさ〜、何持ってきたん？」
どきり。
「あー、‥‥‥浮き輪？」 使てへんけど。
「それちゃうくて、袋の方。」
ちらりと横を見れば、やすの真っ直ぐな目ぇが答えを促していて‥‥‥
ああ、これはもう、はよ言うた方がええやつやな。それでも、少し言い淀んでしまうんは許してくれ。
「‥‥‥シュノーケル？」
「ん？ なんて？」
「シュノーケル。」
「うそん！なんでもっとはよぅ言わへんの〜。」
「いや、おまえ、出来るんか分からんしやな、」
「出来る、出来るよ！」
「‥‥‥あんなん与えたら、どんどん遠く行きよるやろ？」
「行かへん。浅瀬で済ますから大丈夫やって。」
「う〜ん‥‥‥、じゃ、ええけどな、あんま俺から離れんなよ。」
「！！ ひゃ〜///今のええ！！」
「は？」
「もっかい言うて！『俺から離れんなよｷﾘｯ』って、もっかい言うて〜///」
「あほかっ！催促されて、よう言わんわっ///」
いいかげんにしてくれ。
あほ可愛くて敵わんわ〜‥‥‥。
☆
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作者名：たろ | 作成日時：2019年6月25日 16時
