検索窓
今日:1 hit、昨日:2 hit、合計:28,306 hit

ページ14

〜purple〜



「‥‥しんちゃん、起きてぇ、もう着くって。
しんちゃん? な〜あ〜、起きてぇやぁ‥‥‥」


俺の腕を掴む小ちゃい手ぇの感覚がして、
そっと揺すってくるのに意識が浮上した。

一生懸命起こそうとしとるんが可愛くて、
もうちょい寝たフリしたろか思てんけどな、
ヤバイことになりそうやから起きたった。


「んー、やすぅ、おはよぉさん。」

「おはよぉ。てか朝も言うてんから2回目やね。」

「せやったな〜。」 伸びー!


同じように体を伸ばしながら、やすは言う。

「結構寝れたし、明日までオールで遊べるで!
楽しもな♪」



‥‥‥さっきの、寝起き特有の少し掠れた声、
舌足らずの喋り方に、俺の息子が反応しかけたっちゅーのんは、絶対言わんとこ‥‥‥。







さて!今回の旅のプランを説明せんとな!

やすは、いつもやったら、コッチの友人たちとワイワイするんやろうけど、今回は潜らんし、ふたり旅のつもりや。

普段は行かへんようなとこ行ってみたり、宿もプライベートビーチがある隠れ家的なとこにしたしな。

水族館だけはマストで行こう思ぅてて、あとは気の向くままに〜って感じなんやけど‥‥‥。


俺の話を、ふむふむ頷きながら聞いてくれてたやすは、

「‥‥‥うん、たまにはそんなんもええな♪」

って、笑うてくれたけど、一寸の間が気になるわ。やっぱ物足りんのやろな‥‥‥。


そんな思い、口には出てないはずやのに、

「しんちゃん? おれは、しんちゃんと一緒やったら、なーんでも嬉しいで?」


!!

あぁもう!
こいつを癒したろう思うて来たのに、まーた気ぃ遣わせてもーてる!!

自分の不甲斐なさを誤魔化したくて、ワンコにするみたいに、やすの髪をわしゃわしゃかき混ぜたった。


「ちょ!なにぃ? ぐしゃぐしゃなるやん!」

「ぐしゃぐしゃにしてんねん!」

「ぐふふっ。」


気色悪い笑い方やめぇよ!

早いとこ車借りて出発するでっ!!



7→←5



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (27 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
69人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たろ | 作成日時:2019年6月25日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。