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「おい、今日何時まで?」
自己紹介も終盤に差し掛かった頃、沖田が身を寄せて聞いてきた。
話聞いてないと思われたくないし手短に答えよ。
『12時とかじゃなかった?』
「マジかよ、昼ドラ予約すんの忘れちまった。」
『昼ドラ見てんの?男子高校生が?』
「あのドロドロ感が面白いんでィ。』
「おォいそこォ、人が自己紹介してるっつゥのになァにお話してんのォ。」
げ、やば。思わず会話しちゃってた。
すみません、と頭を下げて向き直る。
今日はまっちゃんに怒られてばっかだ……
今回は沖田のせいにするけどね。
「____です、よろしくお願いします!」
「はァいじゃアみんな一年間よろしくねェ。
というわけでそろそろ体育館移動すっからとりあえず出席番号順に廊下並べェ。」
最後の一人の自己紹介を終えて、まっちゃんが喋り終わると同時に、みんなが一斉に席を立つ。
ガラガラ、という椅子を引く音、生徒たちのちょっと控えめな喋り声が教室に響き始めた。
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side沖田
時計を見ると、12時を回っている。
あの触覚のついたバカ校長が、入学式から動物愛について長々と語ったせいで、
入学式はちょっと長引いた。
教室に無事帰還した後も、配布物やら、
予定の確認やら、いろいろあって、
とりあえずで今出席番号1番のやつがかけた号令でみんなが立つまで随分と時間がかかってしまった。
「気をつけー、礼。」
「はァいお疲れィ。
明日は通常だからねェ、間違えんなよォ。」
昼ドラは1時からだから、まァ教員室での用事が長引かなきゃ大丈夫だろう。
てか呼び出したやつこの教室にいるし、この場で済ませられんなら済ましちまおう。
『「先生ー、あ。」』
教団の方まで行って、声をかけたところで誰かと声が重なる。
「おォお前らかァ。ちょっとついて来んさァい。」
は?お前ら?
なんでこいつが?とAを横目で見ると、
こいつも全く同じ表情。
教員室につき、先生がどかっと座ったデスクの前に二人で並ぶ。
「んじゃ、坂田の方から済ましちまうとォ、
オメェさん、なんか部活入ったかァ?」
「え?いや、まだですけど……」
「ンじゃァ、オメェ、剣道部だからよろしくゥ。」
は?
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作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時