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『……やっぱり家でやらない?』
「それ言うの何回目でィ。」
ついに始まったテスト期間。
私は沖田に「土方のクソ真面目ノート」、略して土方クソを見せてもらうべく、
毎日教室に残って2人で勉強してるんですが……
なんか、視線を感じるんだよね。
しかも、日に日に強くなってる気がする。
その視線は紛れもなく、教室で勉強してる他の生徒たちからのもの。
何か言われる訳でもないし、
白い目って感じでもないんだけど、なんか見られる。
『そっちの家が無理なら、我が家でいいからさ……』
「俺ァ構わねェが、初日にAの家行ってきやす、って言ったら、近藤さんにすごい気まずそうにされた。」
……だから初日、いきなり場所変更されたのか。
てかあのゴリラまだ勘違いしてたんかい。
「俺らの家は、2人が居間使ってるからもう入らねェし。我慢しろィ。」
『……ちっ。』
仕方ない、近藤さんの邪魔をする訳にはいかない……
どうやら近藤さん、中々の阿呆らしく、
補習に引っかかれば夏休みの部活に支障がでる、と。
夏休みのうちに近藤さんは主将になっちゃうし、
流石に補習は困るよね……
『はー……』
観念するか。
無駄にへこたれてる場合じゃないしね。
今は目の前の敵(古文)と向き合わなきゃ。
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『……でもやっぱわからん……』
なんちゃら活用、とか、よくわかんないし。
表見ながらでもキツいよ……
「どこがわからねェんでィ。」
『んー、ここなんだけどさぁ……』
「あー、これは土方クソによると__」
分からない箇所を指さすと、沖田が身を乗り出して教えてくれる。
いつもは寝てるくせに、なんだかんだ言ってこいつは勉強ができる。
そして、なんだかんだ言って教えてくれる。
そういえば、沖田って綺麗な顔してるよなぁ。
土方さんとか近藤さんとかとは違う、カワイイ系っていうか。
髪の毛もさらさらだし。
この前クラスの子も、沖田くんかっこいいよねー、って言ってたっけ。
「おい、聞いてんのかィ。」
『あ、ごめん、聞いてなかった。』
「テメェ俺が説明してやってんのに、いい度胸じゃねェか。」
『ごめんって、それで?』
「2度目のチャンスはねェ。
俺ァ仏さんじゃないんでね。」
……中身はこんななのにね。
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作者名:ニコ | 作成日時:2020年4月3日 10時