日常34 ページ35
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三月。桜は満開というには少し早かったが、半分以上は花が開き、卒業式にはピッタリの晴れた青空が広がっていた。
卒業証書を片手に、私達は今にも泣きそうな、というか金田一なんかはボロ泣きしているが。そんなくそかわいい後輩と話していた。
「ほらもう、金田一泣かない。」
「まづがわざん……。」
「もうずびすびじゃん笑笑。そんな泣かれると俺ら泣きたくても泣けないわ。」
松川が金田一の頭を撫でる。金田一は身長が高いのに、やはり可愛さがある。この私よりも。世の中はやはり不公平である。
「矢巾。頑張れよ。」
岩泉が声をかける。矢巾は及川の後釜。心配はしていないが、本人がどう思っているかは分からない。変にプレッシャーを感じていないといいのだけれど。
「矢巾、私の作った差し入れ用の及川くんボックス覚えてる?」
「覚えてますけど、…?」
「あれ、リニューアルして矢巾くんボックス作っといたから。」
そういって私は親指を立てる。そう、この前結婚相手予想選手権のときに、油性ペンでリニューアルしたのだ。
「余計なお世話すぎる笑笑」
「こらそこ及川、笑うな。マネージャーの最後の仕事だったんだから。」
「先輩、マネージャーとしての最後の仕事、それで良かったんですか???」
矢巾にもっともな正論をぶつけられる。まぁきっと矢巾ならやっていける。及川の様に、変わった女の子たちに好かれないと良いが。
「渡、京谷。頼んだよ。」
「はい。分かってます。」
「……ッス。」
そういって私はふたりと握手をする。次のマネージャーを見つけてやれなかったことだけが心残りだけれど、新しく来年入ってくれる新一年生を信じるしかない。他力本願大事。
「金田一には、迷惑かけたね。」
金田一と向かい合う。そういって、私は金田一にかけた迷惑を思い出す。
「国見を怒らせて間に入ってもらったり、湯田の誕生日の時にミスって金田一にパイを当てちゃったり、友達と廊下でブリッジ対決してるとこ見せちゃったり……。」
「ほんとお前何してんの???」
「あ、気にしてないんで大丈夫っすよ。」
「いや、気にしろよ!!」
花巻がツッコミを入れてくる。後輩との別れだろいいシーンだろ!?邪魔するなよ!と叫ぶとツッコミどころが多すぎるんだよ!と叫び返された。
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米粉パン - さいっこうでしたっ!!!神作品をありがとうございます!!! (2022年12月17日 6時) (レス) id: 8b37d8f686 (このIDを非表示/違反報告)
米粉パン - 思わず笑ってしまいました。三年生がとっても仲良くて、いくら強豪の選手でも学生だなって思いました。国見くんのチア姿見てみたいですw (2022年12月17日 6時) (レス) @page47 id: 8b37d8f686 (このIDを非表示/違反報告)
焼肉のお供のご飯(プロフ) - めろんぱんさん» ありがとうございます!作者です!天才とか最高だなんて…照れちゃいます笑笑楽しんで頂けたのなら、書いたかいがあります!神作品だなんて言って貰えて私は幸せ!! (2022年8月25日 7時) (レス) id: 91f2d1010a (このIDを非表示/違反報告)
焼肉のお供のご飯(プロフ) - おつゆ。さん» コメントありがとうございます!作者です。文才ありまくり!?嬉しいです!!言葉にして言ってくださると、すっっっごい嬉しい!!! (2022年8月25日 7時) (レス) id: 91f2d1010a (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん - なんですか!!天才ですか!!もうっ!最高ですよっ!!めっちゃ面白かったです!神作品をご提供ありがとうございました! (2022年8月17日 15時) (レス) @page46 id: 36a941d5ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:焼肉のお供のご飯 | 作者ホームページ:http://http://user.nosv.org/verifymail?u=solomon3240&hash=ff5a5c47ba09bb9e72...
作成日時:2022年4月8日 15時