青城三年、馬鹿五人

日常２６ ページ27

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｢俺の記憶が正しければなんだけどよ、今日はクリスマスイブだよな？なんで俺ら悲しくラーメン食ってんの？｣





運ばれてきたラーメンを啜りながら花巻が言った。今日はクリスマスイブ。外にはイルミネーションが輝いており、それをバックに写真を撮るリア充で溢れかえっている。







｢そんなのクリスマスを一緒に過ごすような恋人がこの五人の中に誰一人いないからだよ。｣


｢やめろよ、松川。及川が可哀想。｣


｢なんで俺だけなのさ。まっつんもAも恋人いないでしょうが。｣







そう、私達は華の高校三年のクリスマスイブにも関わらず、恋人が居ない。悲しいが、ノリと雰囲気と勢いでラーメン屋に集合したのだ。








｢なんか、及川元気なくね？｣







花巻が水を片手に言う。確かに言われてみればいつもの数段静かだ。





｢あーー、コイツな。さっきここに来る途中で、元カノが新しい男と歩いてんの見たんだよ。｣



｢ちょっと岩ちゃん！？なんでバラしてんのさ！！！｣





そう騒ぐ及川を横目に私達は、あーー納得。とラーメンを啜った。及川がもっと興味持てよ！！と騒がしいが元気が戻ったようで何よりだ。







｢岩ちゃんだって、彼女は愚か元カノすらいないじゃんか。｣







そういってむくれる及川。岩泉は彼女が居ない。というか出来たことがない。(主な原因は岩泉への告白を邪魔する岩泉モンペの及川なのだが。)私達五人の中で恋人が出来たことがないのは岩泉だけ。







｢お前ら見てたら彼女欲しいなんて気無くすわ。｣



｢どういう意味だよ。｣



｢そのままの意味に決まってるだろーが。｣





女の子ホイホイの女たらし及川ならまだしも、私まで一緒くたにされてはたまったもんじゃない。それは花巻も松川も同じだったようで。







｢ほぉ？なんで俺らまでそう思われてんのか聞いてみたいもんだね！｣


｢マッキーは、顔と体だけで行きすぎだからだよ。｣


｢私は、ちょっと男運が悪いだけだし。｣


｢Aちゃんに関しては自分で分かってんじゃん。｣








そう言い合う私達を見て、岩泉はため息をついて水を置いた。







｢そんなに言うなら、お前らの元カノのヤベぇ話聞かせてやるよ。勿論来栖の元カレのもな。｣






クリスマスイブに、こんな悲しい会話を始める高校三年生がどこにいるだろうか。いや、ここにいるのだ。






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